介護保険 申請の段取り術:要介護認定までの14日プラン

いちばん最初のハードルが介護保険の申請。制度は地域で差がありますが、段取りの型は共通です。本記事は、「電話→申請→訪問調査→主治医意見書→認定→ケアプラン」を、14日プランに落とし込みました。必要書類と電話の言い回し、訪問調査の準備、家族チャットでの役割分担まで、“そのまま使える”テンプレ付きでお届けします。

ロードマップ:6ステップの見取り図

  1. 地域包括支援センターへ電話(窓口確認・初回相談の日程)
  2. 申請書の提出(本人/家族/地域包括が代行・自治体へ)
  3. 訪問調査の予約・準備(チェック項目の見える化)
  4. 主治医意見書(医療機関へ情報連携)
  5. 認定結果の受領(非該当〜要介護まで)
  6. ケアプラン作成開始(居宅介護支援事業所と契約)

※ 名称・手続き・日数は自治体で差があります。具体の条件は必ずお住まいの自治体と地域包括でご確認ください。

14日プラン:今日から2週間の進め方

Day1:電話1本(地域包括へ)

  • 伝える:心配している事実/同居・別居/主治医の有無/緊急連絡先
  • 確認する:申請の窓口・方法(持参/郵送/オンライン)/必要書類/初回相談日
  • 家族チャットへ:日程・担当者名・持ち物を共有

Day2〜3:書類を整える

  • 本人確認(保険証・マイナンバー等)、主治医情報(病院・科・電話)
  • 生活状況メモ:食事・排泄・入浴・移動・服薬・夜間・迷子の不安など
  • 障害者手帳・受給者証があればコピー

Day4:申請(提出)

  • 提出方法:窓口/郵送/地域包括の代行
  • 控え(受付印 or 送付記録)を保存。家族チャットに写真で共有

Day5〜7:訪問調査の予約と準備

  • 予約:希望日時/同席者の調整/所要時間(目安30〜60分)
  • 準備:普段の様子が分かる配置(杖・手すり・段差はそのまま)
  • 資料:お薬手帳/直近の検査結果/生活状況メモ/困りごとの優先3つ

Day8:主治医意見書の依頼

  • 地域包括or自治体から依頼が自動で届く場合あり(地域差)。未連絡なら医療機関へ確認。
  • 生活状況メモを簡潔に共有(受診同伴で口頭補足するとスムーズ)。

Day9〜12:訪問調査の当日

  • 調査は本人のそのままの状態で。無理に良く見せない(転倒・見当識・夜間の実情も伝える)。
  • 家族の役割:事実だけを短く補足(例:週◯回の失禁/夜間覚醒◯回)。
  • 終わりに「次の連絡予定」「目安の日数」を確認。

Day13〜14:結果待ちの間に“準備”

  • 居宅介護支援事業所(ケアマネ)の候補を2〜3件リストアップ。
  • 住環境の引き算(ラグ・配線撤去)と足元灯の設置だけ先行。
  • 家計は介護口座を設計(のちの自動振替に備える)。

訪問調査のポイント:事実を短く、再現性を重視

言い回しテンプレ(家族用)

  • 「夜間は週に4回起き、トイレ誘導が必要です。」
  • 「階段は手すりがないと一人では降りられません。」
  • 「入浴は拒否が強く週1回は清拭に置き換えています。」

評価は“できる/できない”だけでなく、安全・頻度・介助量が重要。良い日ではなく平均的な日を基準に伝えます。

主治医との連携:生活情報を“短文×要点”で

  • メモ例:「夜間覚醒週4」「迷子不安あり」「服薬管理難」「体重◯kg→◯kg」
  • 受診時は写真2〜3枚(住環境・転倒しやすい場所)を見せると早い。

ケアプラン開始:希望を“具体的な生活像”で伝える

要望の伝え方(例)

  • 夜間の転倒を減らしたい(足元灯・排泄誘導・就寝ルーティン)」
  • 入浴の拒否に対応したい(訪問入浴/清拭の頻度設計)」
  • 家族休息の枠を月1回確保したい(ショートステイ)」

家族の分担:連絡・同席・記録の“3役”を決める

  • 連絡係:地域包括・事業所・医療との窓口
  • 同席係:訪問調査・受診の同行
  • 記録係:家族チャットで要点を要約(写真1枚+3行)

テンプレ集(コピペOK)

電話テンプレ(地域包括へ)

「〇〇区△△に住む□□です。家族の生活で心配な点があり、介護保険の申請相談をしたいです。必要書類と申請の流れ、初回相談の予約をお願いできますか。」

家族チャットの初回共有

  • 事実:夜間覚醒週4・トイレ誘導必要/入浴拒否あり
  • 次の一歩:地域包括へ電話→申請→訪問調査予約
  • 役割:連絡=私/同席=兄/記録=妻

訪問調査の当日メモ

  • お薬手帳・検査結果・生活状況メモ・写真2〜3枚
  • 困りごと優先3つ(夜間転倒/入浴拒否/服薬管理)

今日の5分でできること

  • 地域包括支援センターの電話番号をスマホに登録
  • 生活状況メモの見出しだけ作る(食・排泄・入浴・移動・夜間)
  • 家族チャットを開設し、役割(連絡/同席/記録)を仮決め

まとめ:制度は“地図”、段取りは“道”

制度は地域で違っても、段取りの型は共通です。電話→申請→訪問調査→主治医→認定→ケアプランの流れを、2週間の枠に。事実を短く、平均の日で伝え、家族の3役で進めれば、初動の混乱は確実に減ります。

よくある質問(FAQ)

Q. 診断が出ていません。申請できますか?

多くの自治体で診断が確定していなくても申請可能です。詳細は地域包括へ確認を。

Q. 認定までどれくらいかかる?

地域差はありますが、目安は申請から30〜45日程度。急ぎの支援は地域包括に相談を。

Q. 非該当だった場合は?

生活の変化を記録し、再申請や地域の他制度(見守り・配食など)を検討。ケアマネや地域包括に相談しましょう。


段取りを“枠”にして、最初の山を越えましょう。


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