
「どこを選べば安心?」に答えるには、生活像から逆算が近道です。本記事は、目的(何を良くしたいか)→候補抽出→見学→体験→契約の5ステップで、デイサービス(通所介護)とショートステイ(短期入所生活介護)の選び方をまとめました。見学チェックリストと、電話・メールの連絡テンプレ付きで“今日動ける”形にしています。
STEP1:目的設定——「何が1つでも良くなれば合格?」
目的の例(1つに絞る)
- 夜間の転倒を減らしたい → 昼間の活動量と排泄リズムを整える
- 入浴拒否が強い → 入浴支援の得意な事業所で“成功体験”を作る
- 家族の休息を確保したい → 月1回のショートステイを定数化
目的が決まると、見学時の質問が生活に直結します。
STEP2:候補を3つに絞る——地理×時間×強み
- 地理:自宅から片道30分以内(送迎範囲/道路事情)
- 時間:利用時間帯が生活リズムに合う(帰宅は夕方混雑前?)
- 強み:入浴特化/リハ特化/認知症ケア/小規模の落ち着き など
ケアマネに“目的に合う3件”を依頼。家族チャットで住所と送迎時間を共有。
STEP3:見学チェックリスト(印刷して持参)
環境・安全
- 玄関〜トイレ〜浴室の動線がまっすぐ/段差・滑りの配慮
- トイレの手すり配置と表示(認知症配慮)
- 入浴設備:個浴・機械浴の有無、脱衣所の温度管理
- 夜間(ショート):見守り体制・ナースコールの動作
ケア内容・リハ
- 入浴拒否への声かけと代替(足浴/清拭)の方針
- リハ:個別訓練/集団体操の頻度・時間・担当
- 排泄誘導のタイミング表(起床後・食後・就寝前)
生活リズム・活動
- スケジュールが±30分の枠で運用されているか
- 午後は静かな活動が選べる(黄昏不安への配慮)
- 食事:形状調整(刻み・とろみ等)とコントラスト食器
費用・運用
- 自己負担見込み(加算含む)/送迎の条件(階段・エレベーター)
- キャンセル規定・持ち物・緊急時の連絡ルート
赤信号(要注意)
- 職員の声かけが否定的・急かす
- 転倒・事故時の説明が曖昧/記録の提示に消極的
- 強みが目的に合っていないのに契約を急かす
STEP4:体験利用→評価——“帰宅後の様子”で決める
- 体験は2〜3回、曜日を変えて実施(人と活動の相性を見る)
- 帰宅後の食事量・入眠・夜間覚醒をメモ(時間割との相性)
- 本人の言葉を引用:「あそこ落ち着く」「うるさかった」など
STEP5:契約と“定数化”——枠に入れて回す
- デイ:週◯回を時間割へ固定、家族チャットに掲示
- ショート:月1回◯泊を“家族の休息枠”として定数化
- 月次カードに費用を反映(三層モデル)
連絡テンプレ(コピペOK)
電話(見学予約)
「□□に住む△△の家族◇◇です。入浴支援と午後の静かな活動を重視しており、見学と体験の相談をしたいです。候補日:◯/◯(火)午前、◯/◯(木)午後。送迎範囲と所要時間を教えてください。」
メール(体験後のフィードバック)
件名:体験利用の御礼(△△ ◇◇)
本文:本日の体験では入浴の声かけと昼寝30分の配慮が助かりました。夜は入眠がスムーズで、夜間覚醒は0回でした。今後、週◯回の利用で契約を検討しています。
今日の5分でできること
- 目的を1つだけ決めてメモ(例:入浴の成功体験)
- ケアマネに「目的に合う3件」を依頼
- 見学チェックリストを印刷して冷蔵庫へ
まとめ:施設選びは“生活像への適合度”で決める
点数や評判より、あなたの家の目的に合うか。見学では動線・入浴・排泄・活動の“枠”が運用されているかを見て、体験後は帰宅後の様子で判断。契約したら枠に固定して、暮らし全体のリズムに織り込みましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. デイとショート、どちらを先に?
日常リズムを作るならデイ先行、家族の休息が逼迫ならショートを月1で定数化が目安です。
Q. 認知症が進み、集団が苦手です
小規模/少人数/個別対応に強い事業所を優先。午後の静かな活動の選択があるかを確認。
Q. 送迎で階段があります
送迎条件(階段段数/エレベーター有無)を見学時に確認。難しい場合は家族送迎+帰りのみ送迎などの折衷案も。
“その家の目的”に合う場所を、一緒に見つけましょう。