所得が伸びる人の共通点──「がんばり方」より先に整えること
「もっと収入を増やしたい」。そう思っているのに、現実は毎日バタバタ。子育て、家事、仕事、学校や園の予定、急な発熱…。努力が足りないわけじゃなく、むしろ十分がんばっています。
それでも所得が伸びにくいとき、多くの人が「働く時間を増やす」「節約を極める」「投資をがんばる」の3つに寄せてしまいがちです。もちろん大切な考え方ですが、ここだけに寄ると、疲れてしまいます。
一方で、所得が伸びていく人たちには、もうひとつ共通点があります。それは、結果の良し悪しよりも先に、「次につながる形に整える」ことが上手だという点です。
「失敗しない人」ではなく、「切り替えが早い人」が伸びる
成功する人は、特別に失敗が少ないわけではありません。むしろ、うまくいかないことも普通に起きています。
違いが出るのは、その後です。うまくいかなかった出来事を、ただ落ち込む材料にせず、「改善の材料」として扱えるかどうか。
たとえば、思い通りにならなかったときに、こんなふうに整理します。
- 何が想定と違った?(環境・時間・人・制度)
- 自分の判断のどこがズレた?(情報不足・思い込み)
- 次は何を変える?(やり方・順番・量・相談相手)
ここで大事なのは、反省会を長くしないこと。原因を責めるより、次の一手を軽くするほうが、結果として前に進みます。
お金の増やし方は「行動」より「仕組み」のほうが効くことがある
一般的に「お金を増やす」と聞くと、
- 働く(収入を増やす)
- 節約する(支出を減らす)
- 投資する(お金に働いてもらう)
この3つが王道です。これはこれで正しい。
ただ、忙しい子育て世代ほど、この3つを「気合で回す」方向に行きやすく、途中で息切れします。
そこで視点をひとつ増やします。所得が伸びる人がよく見ているのは、個々の努力だけではなく、社会の中でお金が生まれ、動いていく“仕組み”のほうです。
たとえば、税制や制度、働き方の選択肢、キャッシュレスやポイントの仕組み、勤務先の福利厚生、資格やスキルの活用、紹介や口コミの流れ。こういったものは、上手に使うほど「がんばり」を少し軽くしてくれます。
「やり方が間違っている」のではなく、負荷が高すぎるだけかもしれない
現場でよくあるのは、手段の問題よりも、負荷のかけ方の問題です。
たとえば、
- 節約が続かない(意思が弱いのではなく、ルールが重すぎる)
- 投資が怖い(勉強不足というより、生活防衛が整っていない)
- 副業が続かない(才能ではなく、時間の設計ができていない)
この状態で「もっとがんばる」と、気持ちが折れやすい。だからこそ、まずは負荷を下げる設計が先になります。
新しいアプローチ:個人の力 × 仕組みの力
ここでおすすめしたいのは、「個人のがんばり」だけでなく、仕組みの力を借りる考え方です。
- 資産運用の見直し
商品の良し悪し以前に、生活に合った配分になっているか(急な出費に耐えられるか、無理のない積立になっているか)を整えます。 - ネットワークの活用
「ひとりで抱える」ほど苦しくなります。相談相手、情報源、紹介、協力関係は、収入や安心感を底上げします。 - 自動化と効率化
家計管理も積立も、できるところは“自動”に。やる気に頼らないほど、長く続きます。
資産形成が進む人ほど「信用」を大事にしている
資産形成の世界では、元手や人脈も大切です。でも、現実にはそれ以上に効いてくるものがあります。それが信用です。
信用は「いい人に見られること」ではありません。もう少し生活に近い言い方をすると、
- 約束を守れる
- 情報を正直に扱う
- 説明が明確
- 小さくても結果を積み上げる
こうした積み重ねが、「任せても大丈夫」「紹介しても安心」という評価につながります。信用がある人は、機会に恵まれやすく、回り道が少なくなるんですね。
信用を増やすための4つのステップ
- 透明性を上げる
家計でも仕事でも、「見える化」するとブレが減ります。数字や状況を隠さない人ほど、信頼されます。 - 行動を一貫させる
大きなことを言うより、小さな約束を守る。これが信用の土台になります。 - 小さな結果を示す
“大成功”は要りません。月1回の家計見直し、固定費1つ見直し、積立の継続。小さな実績が次の信用につながります。 - 信用ある人とつながる
相談相手や学びの場を変えるだけで、情報の質が変わります。信用は“環境”からも増えます。
今日からできる小さな一歩(忙しい人向け)
最後に、「よし、がんばるぞ」と気合を入れなくてもできる一歩を置いておきます。
- 5分:今月の支出で「迷って買ったもの」を1つだけ思い出す(次回の判断が軽くなります)
- 10分:固定費を1つだけ見直す候補を決める(通信費・サブスク・保険など)
- 週末:「わが家の不安」をひとことで書く(例:教育費、住まい、働き方)。不安は言語化すると扱いやすくなります
大事なのは、完璧にやることではなく、続く形を先に作ることです。
ご挨拶
まねTamaの運営責任者の齊木です。
不安をゼロにすることだけを目指していません。不安には、行動を整えるためのサインとして役立つ面もあるからです。
私たちがお手伝いできるのは、資産形成や家計の「改善」と、実践が続くように環境を整えること。実際に手を動かすのはご本人ですが、そのプロセスが重たくならないよう、伴走する形で支援しています。
