就職したときに、会社で勧められた生命保険に何となく加入しました。
体はとても健康だったので、あまり深く考えずに言われるがままに入った記憶があります。
もともと通帳をあまり見ない性格だったので、毎月保険料がどれだけ引き落とされているのか分かっていませんでした。
しかし結婚してからは、そのような呑気なことは言ってられません。
厳密には私は呑気なままでしたが、妻がそうではなく保険料に対してシビアな態度を見せたのです。
家計を任されている立場からすると当然かもしれません。
保険料が高いと指摘を受けて見直すことになりました。
激安のスーパーを自転車で回って食費を節約している妻に頼まれると、むげに断るわけにもいきません。
さっそくインターネットを利用して、保険見直しのサイトをのぞいてみました。
そこに条件を打ち込んで診断したところ、そのとき加入していた保険より1割ぐらい安くなるものを見つけたので嬉しかったです。
1割というと微々たるものですが、固定費として毎月出ていくことを考えると馬鹿にできません。
さっそく乗り換えて妻と私は満足していました。
この時点では、少なくとも私は家計が楽になると信じていたのです。
ところが、しばらくしても楽になったようには感じられません。
やはり1割程度安くなっても、あまり影響はないのかと落胆しました。
しかし冷静に調べてみると、家計が楽にならない原因は他にもあったのです。
実は妻の勧めで、保険見直しの際にがん保険にも加入していました。
年齢を重ねてがんのリスクが高まってきているので、決して悪い選択ではなかったと考えています。
妻からは高くないので大丈夫と聞かされていました。
この言葉を聞いて、大きく勘違いしてしまった気がします。
当時の私は、1種類の病気に特化した保険だから、ほとんど費用はかからないと考えてしまったのです。
ところが、調べてみると生命保険の3分の1程度の高さだったので驚きました。
妻の言ったように、高い金額でないことは確かです。
とはいえ、私の想定を軽く超えた金額でした。つまり1割安くなっても、トータルで見ると高くなっていたのです。
妻にそれを話すと驚いた様子がありません。
もともとがん保険に入ってもらいたいけど、その余裕がないので生命保険見直しを提案したと教えてくれました。
確かに生命保険を変えないままだと、さらに家計は苦しくなっていたことでしょう。
今では妻の英断だったと感じています。
保険選びで失敗しないための5つのポイント:家計と資産形成のバランスを取る方法
多くの方が陥りがちな「保険選び」の重要なポイントを浮き彫りにしています。
以下のアドバイスを通じて、資産形成の観点から改善策を提案します。
1. 保険の目的を明確にする
生命保険やがん保険は、「自分や家族を守る」という明確な目的が必要です。加入する前に以下を確認してください:
- 家族の生活費をどの程度保障したいか?
- 特定の病気への備えがどれほど必要か?
例えば、がん保険はがんのリスクをカバーしますが、他の病気や事故への保障はありません。そのため、「自分に必要な保障内容を具体的に理解する」ことが重要です。
2. トータルコストで判断する
今回のケースでは、生命保険の見直しで得た節約分が、がん保険加入のコストで相殺されてしまいました。保険を選ぶ際には、「一つひとつの保険料」ではなく、「全体の固定費」を見直す視点が大切です。
具体例:
- 月々の総保険料(生命保険+医療保険など)が家計の何%を占めているか計算する。
- 目安として、保険料は収入の10~15%程度に抑えることを検討。
3. リスクに応じた優先順位をつける
家計に余裕がない場合、保険の優先順位をつけることが大切です。
以下の順で検討してください:
- 公的保険を確認: 日本では公的保険制度が充実しているため、過剰な保障を避ける。
- 必要最小限の生命保険: 家族の生活費を一定期間補う額に絞る。
- 特定リスク(がんや介護など)への備え: リスクが高まる年齢や家族歴に応じて検討。
4. 定期的な見直しを行う
結婚、出産、子どもの成長などライフステージの変化に応じて保険内容を見直す習慣を持つことで、無駄な支出を防ぐことができます。
5. 専門家に相談する
保険選びや家計見直しを一人で行うのは大変です。ファイナンシャルプランナーや保険の専門家に相談することで、自分に最適なプランを効率的に見つけられます。
まとめ
今回の奥様の判断は、リスク管理の視点から見て適切だったと言えます。しかし、「目的」「コスト」「優先順位」をしっかり考えた上で加入することで、家計の負担を最小化しつつ、必要な備えを確保することが可能です。
このような体験を活かし、家計と資産形成のバランスを意識しながら、柔軟な計画を立てていきましょう!