収入保障の使い方:毎月の生活費を“必要年数だけ”守る設計

収入保障は、死亡(または所定の高度障害)時に毎月定額を、残りの契約期間にわたって受け取るタイプの死亡保障です。
「必要保障額=期間×金額」を月々の生活費の形で支えるため、総コストを抑えやすいのが特長。家庭のキャッシュフローにそのまま馴染みます。

この記事のゴール(3点)
・収入保障の仕組み向き/不向きを理解する
・月額(必要生活費)と期間(末子独立など)の決め方を掴む
・設計時の落とし穴(物価・団信重複・公的保障の見積り)を避ける

収入保障の仕組みと特徴
・給付は月額×残存期間(例:月15万円・残り18年→概算3,240万円の年金相当)。
・時間経過に伴い、将来支給総額は自然に逓減(必要保障の“形”に近い)。
・多くの商品で一時金前払(現価一括)一部一時金+年金の選択肢あり(会社・条件により異なる)。
・所定の高度障害も支払事由に含むのが一般的(定義・待ち期間は商品により差)。

向いているケース/向かないケース
向いている
・子の成長とともに必要保障が減る家庭(末子独立まで守りたい)
・毎月の生活費の確保が最優先(家計フロー重視)
・団信で住宅残債が消える前提で、生活費だけを守ればよい
向かない/注意
・相続対策や一時多額の資金ニーズ(終身/定期の一時金が適)
・物価上昇に備えインフレ連動が必要(指数連動の有無・上限を確認)
・受取人の管理が難しく一括資金のほうが適切

設計ステップ:月額と期間を決める
1) 月額=遺族の月間生活費(現在の家計×係数70〜85%目安)−公的保障(月額見込み)その他の継続収入
2) 期間=末子が独立するまで/配偶者が就労で自立するまで 等の保守的な年数
3) 受取形式=年金のみ/一時金可/一部一時金+年金(教育の山や初期費用に備える)
4) 付帯条件=非喫煙・優良体区分、年払の有利性、免責・待ち期間、保険料払込免除(所定障害/疾病)
月額の目安 = 現在家計(月)×0.7〜0.85 − 公的保障(月) − その他継続収入(月)
期間の目安 = 末子の現在年齢→独立年齢(大学卒業22歳想定 等)

ミニ例題(概算)
家計月30万円・子2(8/5歳)・団信あり・公的保障の保守的見積り月6万円。
月額=30万×0.8−6万=18万円(目安) / 期間=末子5歳→22歳まで17年
想定給付総額=18万円×12か月×17年=3,672万円(年金相当)
※実際は残期間に応じて逓減。保険料は商品・会社で異なります。

団信・定期との組み合わせ(重複回避)
住宅ローンが団信で残債0になるなら、収入保障は生活費特化でOK。
教育の山(入学時費用)にだけ一時金を足したい場合、少額の定期(一時金)を重ねる方法が合理的です。

物価・受取方式の工夫
物価上昇:インフレが気になるなら、月額を少し厚め(+1〜2万円)に設定。指数連動や増額特約の有無・上限も確認。
一部一時金:入学・転居など初期費用分は一括、その後は年金でフロー安定化。
年払の活用:支払方法は年払が割安なことが多い(設計書で差を確認)。

よくある落とし穴と回避策
団信と二重計上:団信で住宅費が軽くなるのに、生活費に加え住宅分まで上乗せ→過大。住宅維持費(税・管理費)だけを別計上。
公的保障の過信:家族構成・就労で変動。見積りが難しいときは0〜50%反映など保守的に。
期間ミスマッチ:末子独立までなのに10年更新を継ぎ足し→長期コスト増。はじめから全期で合わせるとシンプル。
受取人の管理:月15〜20万円×長期は管理が必要。必要に応じて一部一時金で負担を軽減。

比較テンプレ(CSVコピペ用)
同一人物で「定期(一定額)」「収入保障」「終身」を並べると違いが明確です。
商品,給付形態,期間,月額/保険金,年払(円),区分(非喫煙/良好体等),待ち期間/免責,一括前払の可否,総支払見込(円),備考
定期(一定額),一時金, , , , , , , ,
収入保障(逓減),月額×残期間, , , , , , , ,
終身(貯蓄性),一時金, , , , , , , ,

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まとめ:フローを守る保険、山は一時金で補う
収入保障は、毎月の生活費を必要年数だけ支えるのに適した設計です。
受取総額が自然に逓減するため、過不足を起こしにくく総保険料も抑えやすい。教育の山や初期費用は、必要に応じて少額の一時金を重ねて調整しましょう。

※本記事は一般的な解説です。支払事由・待ち期間・一括前払の可否等は商品により異なります。最終判断は最新の設計書・約款をご確認ください。
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