突風・竜巻から家族を守る──まねTama式「備え・その時・被災後」実践ガイ

突然の突風(竜巻・ダウンバースト・ガストフロント)は、数分の判断で被害が大きく変わります。子育て家庭目線で“いまできる準備”と“起きた瞬間の行動”“被災後の手順”をまとめました。

はじめに:恐れより、準備を。家族を守る3つの視点

ニュースで被害映像を見ると、不安や無力感が先に立ちます。でも、私たちができることは確かにあります。まねTamaでは、①住まいの備え②家計(保険・書類・お金)の備え③当日の行動計画の3点を小さく整えることをおすすめしています。どれも「今日から1つ」始められる内容です。

用語の整理
竜巻=強い上昇気流を伴う回転する渦。
ダウンバースト=積乱雲からの下降気流が地面で四方へ広がる突風。
ガストフロント=雷雨に先行して吹く強い風の境界。
種別が違っても「窓ガラス・屋根・飛来物」への備え方は共通点が多いです。

1. 平常時の備え(住まい編):窓・屋根・屋外物の3点集中

  • 窓ガラスの飛散対策飛散防止フィルムが基本。貼り付け済みか確認。養生テープだけでは十分な強度にならず、剥がし跡も残りやすいので常設対策を優先。
  • 雨戸・シャッター:不具合がないか事前点検。閉める練習を家族で共有(誰がどの窓を担当か)。
  • 屋根・ベランダ:瓦・棟板金・アンテナ・太陽光パネルの固定を点検(定期メンテ先があれば連絡先をスマホに登録)。
  • 屋外の飛びやすい物:物干し、植木鉢、ゴミ箱、簡易棚、子どもの遊具、カーポートの波板等。“室内に入れる or ロープで固定”のチェックリストを玄関に貼る。
  • 安全スペースの確認1階・窓の少ない内側の部屋(廊下・クローゼット・洗面所など)に、ヘルメット・厚手の手袋・靴・懐中電灯をセット。
まねTamaメモ:フィルムは「地震+突風」の両方で役立つ“複利投資”。優先順位は窓→勝手口→細長いはめ込み窓の順で。

2. 平常時の備え(家計編):保険と記録の“下ごしらえ”

強風に包まれる家のイメージ──窓・屋外物の突風対策の重要性

  • 火災保険の確認風災(突風・竜巻)の補償有無、家財の有無、臨時費用特約・修理費用の対象免責金額をチェック。保険会社と代理店・証券番号をスマホに控える。
  • 自動車保険:車両保険(一般/エコノミー)で飛来物・横転等の扱いを確認。ガラス破損の自己負担や等級ダウンも要チェック。
  • 書類と写真のデジタル保管:保険証券、建物・設備・家電の購入時レシート、室内の定期的な室内スナップ(部屋全景→家電・家具の寄り)をクラウドに保存。被害前の状態証明になります。
  • 緊急出費の想定:ブルーシート・応急修理・一時宿泊・ベビー/介護用品の追加購入など、“3~5万円の緊急費”を別口座で確保。

保険は「お守り」ではなく回復のための仕組み。証券の場所・連絡経路・請求の流れを家族で共有しておきましょう。

3. 家族計画:連絡・お迎え・ペット

  • 連絡手段:家族チャットの固定メッセージに「集合場所」「最寄り避難所」「祖父母への連絡役」を明記。位置情報共有アプリも活用。
  • 学校・園のお迎え:緊急時の引き取り手順、委任状の有無を確認。“誰が迎え、誰が家を守るか”を割り振る。
  • ペット同行:ゲージ・折りたたみトイレ・フードの持ち出しセットを玄関に常備。ペット受け入れの避難所情報もメモ。

4. 「その瞬間」の行動:屋内・屋外・車の中

屋内:雨戸・シャッターを閉め、窓から離れて1階の内側へ。頑丈な机の下で頭部を保護(ヘルメット・厚手の帽子)。スマホ・シューズ・懐中電灯を手元に。
屋外:近くの頑丈な建物に避難。飛来物に注意し、壁沿いに移動。無理な帰宅は避ける。
車内:通過が迫ると感じたら、可能なら建物へ避難。間に合わないときは停車してシートベルト・屈伏姿勢で頭部保護。高架下や樹木のそばは避ける。

5. 被災直後24時間:安全確保と連絡

  1. ケガ・感電の回避:ガラス・釘・電線に注意。水濡れ機器は触らない。ガス臭がすれば元栓を閉めて離れる。
  2. 近隣の声かけ:高齢者・乳幼児のいる家庭、独居の方へ安否確認。
  3. 停電時の食材管理:冷蔵庫は極力開けない。保冷剤をクーラーバッグへ移す。
  4. 公式情報の確認:自治体・消防・気象のアナウンスを優先。SNSは“二重確認”。

6. 48〜72時間:証拠保全 → 罹災証明 → 保険請求

  • 竜巻接近時に一階の安全スペースへ避難する家の概念図
  • 証拠保全:片付け前に広角→中→寄りで写真・動画。外観・屋根・窓・室内・家電・カーポート・フェンス等。
  • 罹災証明:自治体で手続き(身分証・印鑑・被害写真・保険証券など)。等級が保険・公的支援に影響するため、片付け前に相談。
  • 保険会社へ連絡:事故受付→調査(書類・写真・見積)→支払い。応急修理の領収書は必ず保管。
  • 悪質商法の回避:「今日だけ」「無料で点検」等の勧誘に注意。契約前に見積比較・事業者名の確認。
  • 生活再建:一時宿泊・学用品の再購入・保育の臨時手配など、優先度の高い支出から。家計簿アプリで“被災費用”タグを作ると後の整理が楽です。

7. 子どもの安心を守る:声かけと日常の回復

  • 事実→感情→安心の順に:「強い風で窓が揺れたね(事実)。びっくりしたよね(感情)。いまは安全な場所にいるよ(安心)」
  • 役割を渡す:懐中電灯係、飲み水係などの“手伝い”が安心感につながる。
  • ニュース映像は見せ過ぎない:断片的・刺激的な映像は不安を増幅。
  • 睡眠と食事のリズムを優先:小さな“いつも通り”を取り戻す。

8. そのまま使えるチェックリスト

平常時(週末30分でOK)

  • 飛散防止フィルム:未/済(貼る窓の優先順位を決める)
  • 雨戸・シャッターの動作確認(家族で役割分担)
  • 屋外物の固定ルール(室内に入れる物・ロープ固定する物)
  • 安全スペースの装備(ヘルメット・手袋・靴・ライト)
  • 保険:風災・家財・車両保険の補償と連絡先をスマホに保存
  • 家の室内スナップ写真を撮ってクラウド保存(半年に一度)
  • 家族チャットに集合場所・避難所・連絡役を固定表示
  • ペット避難セットの常備

発生時〜直後

  • 窓から離れ、1階の内側へ移動/頭部保護
  • 停電・ガス臭・漏水の安全確認
  • 近隣の安否確認(可能な範囲で)
  • 被害の写真・動画を“広角→寄り”で撮影
  • 自治体・保険会社へ連絡、応急修理は領収書保管

9. まとめ:完璧を目指さず、“一歩”だけ前へ

突風対策は、窓・屋外物・行動計画の3点を小さく進めるだけでも効果があります。家計面では、保険と記録の“下ごしらえ”をするほど、回復が早くなります。
「今日は窓の優先順位を決める」「週末は家の写真を撮る」──その一歩が、家族の安心につながります。

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