
家事・育児で1万歩?──ライフプランの視点で考える
「家事や育児でかなり歩いているから、ほぼ1万歩は行っているはず」。体感として当たる日もありますが、毎日安定して1万歩に届く人は多くありません。けれど本当に大事なのは、“1万歩という数字”に縛られることではなく、歩数をライフプラン上の『健康資本』としてどう扱うかです。健康資本は、収入を生み、支出を抑え、家族の時間を守る「見えない資産」。歩数はその末端指標であり、今日の体調と将来の医療・介護コストの双方に影響します。
“1万歩の呪縛”から自由に:最適帯を見つける
近年の研究では、歩数が増えるほど健康リスクは下がる一方、6,000〜9,000歩前後でも十分な効果が得られると示されています。つまり「必ず1万歩」ではありません。忙しい家庭にとっては、無理なく続く範囲で最適帯に安定して乗せることが合理的。まねTamaの基本指針は、現在の平均歩数に+2,000歩。これが難しければ、10〜15分の“やや速歩”を1〜2本、日中のどこかに差し込むだけでもOKです。
家計リスクと“歩数”のリンク:健康資本=保険・老後費の節約余地
歩数は直接お金に見えませんが、疾病・要介護リスクの低下 → 医療費・介護費の抑制 → 就労継続・家事育児の自立維持という回路で、家計へ効いてきます。結果として、保障の厚み(民間保険の上乗せ)や老後の生活費の“安全マージン”に余裕が生まれます。逆に、運動不足が続けば、治療費の増加・離職や休職のリスク・配偶者のケア負担増が、見えない将来コストとしてのしかかります。
- 教育費・車購入などのイベント追加OK
- 資産が尽きる推定年齢/退職時資産を自動計算
- 結果テーブルはCSVでダウンロード可
- 短期:通院・薬代の発生頻度が減る可能性→月次キャッシュフローの安定。
- 中期:働く体力・集中力の維持→労働収入のブレを小さく、副業・スキル投資に時間を回しやすい。
- 長期:要介護リスクの抑制→老後の取り崩し速度を抑える(寿命と資金寿命の整合性向上)。
まねTama式「平均+2,000歩」→ライフプランに落とし込む
1) 自分の基準値を知る(7日間の実測)
スマホやスマートウォッチで、平日/休日・在宅/外出・育児多め/少なめのタグをつけて7日間記録。平均歩数を出し、「足りない日の共通点」を見つけます。
2) +2,000歩の“現実的な作り方”
- 送迎で遠回り5分:園・学校・駅の往復に、信号1つ分の遠回り。
- 買い物×速歩化:週2〜3回の買い出しを10〜12分のやや速歩で。
- 家事の合間に階段2往復:洗濯の前後にルーティン化。
- 寝かしつけ後“1曲ウォーク”:好きな曲1〜2曲分(6〜8分)だけ歩く。
- ベビーカーは姿勢×歩幅:かかと着地→つま先蹴り、歩幅をやや広めに。
3) “歩数=健康保険料”と見なす(見える化)
家計簿に「健康投資」カテゴリを作り、歩数・体調メモ・医療費を同じ画面で管理。
例:歩数が平均+2,000歩に乗った月は、医療費・間食費・タクシー代がどう動いたかを確認します。
4) 四半期ごとに“保険と貯蓄”を微調整
- 医療・がん・就業不能の上乗せが過大なら、控除の範囲や貯蓄比率を再配分。
- 浮いた保険料は、教育資金・NISA・予備費へ自動積立。
“体感ほど伸びない”理由と対策:屋内動線の壁
料理・洗濯・掃除・送迎・抱っこやベビーカー押し…体感的にはかなり動いているのに、実測では6,000〜9,000歩で止まることが多いのが典型です。屋内は動きが細切れで、歩幅やテンポが上がりにくいから。対策は、動作の“連続性”と“強度”を少し足すことです。
- タイムブロック:家事の前後どちらかに連続10分の外歩きを固定。
- テンポアップ:掃除機かけは曲に合わせて速歩ペースで。
- 歩幅メモ:週1回だけ、大股で姿勢良く歩いたときの体感を記録。
7日→28日の“小さなPDCA”で、暮らしとお金を同時に整える
- Plan:平均+2,000歩のための行動を3つ決める(遠回り/階段/速歩)。
- Do:7日間試す。歩数・体調・出費(医療/間食/タクシー)を同時記録。
- Check:達成できた日/できない日の障害(天気・予定・子の体調)を特定。
- Act:障害に対する代替案(室内速歩・歩数貯金デー)を追加。
このサイクルを4週間(28日)回すだけで、平均歩数の底上げとムダ出費の見える化が同時に進みます。
ケース別ミニ設計
在宅ワーク×未就学児
午前:保育園送迎で遠回り5分+階段2往復。
午後:買い物は徒歩で10分速歩。
夜:寝かしつけ後“1曲ウォーク”。→合計+2,000〜3,000歩を狙う。
フルタイム勤務×小学生
通勤:最寄り1駅手前で降りて速歩8分。
帰宅後:家事前に階段2往復。週末は家族ウォーク30分。→平日安定・休日上振れの二段構え。
育休中
午前:公園までの往復を少し大回り。
午後:ベビーカーで姿勢・歩幅を意識した15分ウォーク。→屋外で“連続性”を確保。
よくある悩みへのミニ回答
Q. 天気や予定で歩けない日が続きます。
室内の“ながら速歩”を5分×2本。踏み台昇降や廊下の往復でも十分カウントできます。
Q. 膝や腰が心配です。
短時間・低衝撃から。歩幅を少し狭め、クッション性のある靴で。痛みが続く場合は医療機関へ。
Q. 目標は何歩にすべき?
まずは平均+2,000歩。安定してきたら6,000〜9,000歩帯をキープ。余力がある日に“1万歩の日”を時々作るで十分です。
家計も“見える化”しませんか?
歩数と同じく、家計も「体感」と「実測」にズレが生まれがち。
まねTamaのスターターキットで、ムダや不安の正体をやさしく整理しましょう。
この記事のポイント(まとめ)
- 毎日“家事・育児だけで1万歩”は少数派。大切なのは最適帯に安定して乗ること。
- 平均+2,000歩または10〜15分のやや速歩を1〜2本でOK。
- 歩数は健康資本=将来コストを抑える投資。保険・貯蓄の配分にも効く。
- 7日→28日のPDCAで、暮らしとお金の“ズレ”を同時に是正。
