
私は仕事で得られる収入が少ないため、将来の生活に不安を感じていました。
どうやってお金を稼ごうかと悩んでいた時に不動産投資の話を知ったのです。
当初は投資や不動産に関する知識が乏しく、資産運用についても考えたことがなかったので聞き流していました。
しかし、ワンルームマンションへの投資なら少ない予算で始めることができると知り、それならと興味を抱いて資料を取り寄せたのです。
資料には初心者でも簡単で成功率も高い、短期間で大きく儲かるなどと魅力的な言葉が並んでいました。
生活費を切り詰めればねん出できる金額だったことも投資への後押しになり、何の知識も持たないままマンション投資に手を出してしまったのです。
ワンルームマンションへの投資はひと部屋ごとに投資を行うので必要な予算が少なく済む、と説明されたのも投資を決めた理由でした。
不動産投資といえば大金持ちが大邸宅やゴルフ場などを対象に行うものだと思っていたので、ワンルームマンションのひと部屋で投資ができることに驚いたのが正直な気持ちです。
それだけに、投資も身近になって初心者でも楽に儲けることができると思い込んでしまいました。
業者に言われるままにひと部屋分の限界の金額までつぎ込みましたが、かけるお金が多いほど見返りも大きくなると言われ、すっかり有頂天になってしまったのです。
投資を行ってから最初の配当で思った以上の金額になったのも勘違いに拍車をかける要因でした。
そして遂に大きな失敗をしてしまいます。
ひと部屋投資の最初の成果が良かったことに増長してしまい、投資対象を一気に5つも増やしてしまいました。
合計して6つの部屋に投資を行うことになり、つぎ込んだ金額も膨大なものになったのです。
後で大きく儲かるからと親族に借金までして投資につぎ込みましたが、直後にマンション物件の価値が大きく下がってしまいました。
景気の変動で元本割れをする可能性はあると説明されていましたが、まさか大口投資を始めた直後に大損を被ってしまうとは夢にも思っていなかったのです。
あまりのショックでその時の記憶が無く、後で聞いた話では紙くずと化した投資の証明書をくしゃくしゃに丸めては元に戻し、またくしゃくしゃにすることを延々と繰り返していたそうです。
大金を失ったことに加え、投資のために借金を行ったことから親族からも信用されなくなりました。
借金はなんとか返済することはできましたが、当時の失敗から不動産投資は二度とやらないと固く心に誓っています。
「儲かる話」に迷ったとき、まず立ち止まって考えたいこと
将来の生活に不安があるとき、人はつい「今すぐ安心したい」「早くなんとかしたい」と思ってしまうものです。
そんなときに現れる「誰でも簡単に」「短期間で大きく儲かる」といった言葉は、心のスキマにすっと入り込んできます。そして、その魅力的な響きに心が傾いたとき、冷静な判断力は少しずつ弱まってしまうのです。
でも、本当に必要なのは「早く儲けること」ではなく、自分に合ったペースで、お金との関係を整えていくことなのではないでしょうか。
「投資は悪」ではない。でも、急いで始めるものでもない
投資そのものが悪いわけではありません。けれど、「よくわからないまま」「すすめられるまま」に始める投資は、残念ながら“リスク”ではなく“危険”になってしまうことがあります。
たとえば今回の体験のように、景気や物件の価値の変動、借入のリスクなどを十分に理解しないまま「うまくいっている人がいるから」「最初の配当が良かったから」と判断してしまうと、心が浮き足立ったまま進んでしまうのです。
暮らしを守るために、大切にしたい3つの視点
- ① 今の家計や資産のバランスに合っているか?
- ② 自分の目的と、勧めてきた人の目的は一致しているか?
- ③ 「何に安心したくて」この話に惹かれているのか?
これらの視点で立ち止まってみるだけで、「本当に今、必要な選択なのか」が見えてくるはずです。
学びながら整えることで、“選ぶ力”が育ちます
まねTamaでは、投資や保険などの選択肢を“白か黒か”で判断するのではなく、暮らしの中にどう活かすかを一緒に考える学びを大切にしています。
「将来が不安だからこそ、焦らずに選べる自分でありたい」──そんな気持ちを持つあなたにこそ、安心して学び始めてほしいと思っています。