
「やりたいことが多すぎて、いつも焦ってしまう」──そんなあなたへ
子育てや家事、仕事に地域のこと。毎日、気づけば「今日やるべきこと」に追われていて、ふとした瞬間に「私、本当はどうしたいんだろう?」と立ち止まってしまうこと、ありませんか?
頭の中には、たくさんの“やりたいこと”があるのに、どれも中途半端になってしまう──そんなもどかしさを感じている方は少なくありません。「家計を整えたい」「子どもと過ごす時間をもっと増やしたい」「働き方を見直したい」「やりたかったことにも挑戦してみたい」。どれも本気だからこそ、全部叶えたいと思う気持ちは自然なことです。
でも、全部を同時に進めようとすると、気づかないうちに疲れてしまったり、「結局どれも進まなかった」と感じてしまったり…。それは、あなたの努力が足りないわけではなく、“進める順番”が決まっていないだけかもしれません。
そんなときのヒントになるのが、「優先順位」という考え方です。これは何かをあきらめるというより、今の自分にとって“いちばん大切なもの”に意識を向けるための、小さな整理です。
このシリーズでは、子育て世代の方が暮らしやすさを感じながら夢に近づいていけるよう、「優先順位のつけ方」や「気持ちがラクになる考え方の整理法」をやさしくご紹介していきます。はじめの一歩として、まずは今の暮らしにそっと耳を澄ませるところから、一緒に始めてみませんか?
第1章:“全部やりたい”が苦しくなる理由
「やりたいことがたくさんある」──それはとても素敵なことです。
でも実際には、その思いが強ければ強いほど、うまく進められない自分にイライラしたり、「時間が足りない…」とため息が出てしまうこともありますよね。
特に子育て中は、自分のペースで物事を進めるのが難しい時期。朝から晩まで、家族や周囲のことを優先して動くうちに、気づけば一日が終わっていた…という日も多いのではないでしょうか。
「家計を見直したい」「副業を始めてみたい」「子どもの教育について考えたい」「自分の時間も大切にしたい」──どれも大切な願い。でも、どれから手をつければいいのかわからないと、結果的にどれも中途半端になってしまい、「私は何もできていない」と落ち込んでしまうことも。
それはあなたが怠けているのではなく、優先順位の“整理”がされていないだけなのです。
たとえば、毎日複数のタスクを同時にこなそうとするスマホやパソコンも、一度に処理する情報が多すぎると動きが鈍くなります。それと同じように、頭の中にあれもこれも抱えすぎていると、思考や行動のエネルギーが分散されてしまうのです。
逆に、「いまはまず、これに集中しよう」と一つ決めるだけで、不思議なくらい気持ちが軽くなります。優先順位をつけることは、やりたいことを減らすことではなく、やりたいことに向かう“順番”を決めてあげること。それだけで、暮らしの流れがぐっと整っていくのです。
次の章では、その“順番”を見つけるための第一歩として、「すべてを書き出す」というシンプルだけど大切な方法をご紹介します。
第2章:まずは“全部書き出す”ことから
優先順位をつけるといっても、いきなり「いちばん大切なことは何ですか?」と聞かれても、すぐには答えられないかもしれません。
それもそのはず。今の暮らしの中には、目に見えるタスクもあれば、心の中でずっと引っかかっていることもあって、頭の中はいつも情報でいっぱいだからです。
だからこそ、まずやってみてほしいのが「ぜんぶ書き出してみる」というステップです。
ノートでもメモアプリでも、方法はなんでもかまいません。
「やらなきゃ」と思っていること、「こうなったらいいな」と願っていること、頭に思い浮かぶものを、大小関係なくどんどん書き出していきましょう。
たとえば──
- 食費をもう少し見直したい
- 家計簿をちゃんとつけたい
- 子どもとの時間をもっと取りたい
- 今後の教育費が心配
- 自分の働き方を見直したい
- 趣味を再開したい
こんなふうに、思い浮かぶままに書いていくと、「自分の中にこんなにいろんな思いがあったんだ」と気づくかもしれません。
また、同じようなテーマに分類できるものが出てくることもあります。たとえば「教育費」「働き方」「貯金の見直し」などは、「家計と将来への不安」という軸でつながっていたりします。
この“見える化”の作業は、自分の気持ちや考えを整理するうえでとても大切なプロセスです。
書き出してみると、「今すぐに取り組みたいこと」「ちょっと気になっていること」「できればいつかやりたいこと」など、自然と優先順位のヒントが見えてくることも。
頭の中だけで考えていると、どうしても混乱してしまいがち。でも、紙の上に出してあげることで、漠然とした不安が、具体的な行動に変わる第一歩になります。
次の章では、こうして書き出したリストをもとに、「いちばん今、力を注ぐべきこと」をやさしく見つけていく方法を紹介します。
第3章:“一つだけ選ぶ”のが怖いあなたへ
「全部やりたいことばかりで、一つにしぼるなんて無理」「どれも大事だから、選べない」──そんなふうに感じた方も、きっと多いと思います。
私たちはふだん、「何かを選ぶことは、何かをあきらめること」と考えがちです。
とくに子育て中は、家族や子どものことを優先しながらも、自分のやりたいことを後回しにしてきた経験が多いぶん、「またあきらめるの?」という気持ちがよぎってしまうこともあるかもしれません。
でも、「優先順位をつける=あきらめる」ではありません。今のあなたの暮らしやエネルギーに合わせて、“まずはこれから”という順番を決めるだけです。
たとえば、「今はまず家計を整える」と決めたとしても、それは「趣味をやってはいけない」とか「夢を持っちゃダメ」という意味ではありません。
それらを大切にするためにも、まず土台を整えておこうという考え方なのです。
むしろ、ひとつに集中することで、「できた」「進んだ」という手応えが生まれやすくなります。そしてその成功体験が、自信や行動力につながり、次のテーマにも自然と取り組めるようになるのです。
大切なのは、あなた自身が「今の自分に合った選択ができた」と感じられること。
それができれば、選んだ道にも納得感が持てて、途中で揺らいでも「この選び方でよかった」と思えるはずです。
そしてもうひとつ伝えたいのは、「選び直してもいい」ということ。
生活の変化や気持ちの変化に応じて、優先順位を見直すのは自然なこと。
一度決めたら変えてはいけない、なんてルールはどこにもありません。
“選ぶこと”に迷いや怖さがあるのは、それだけ真剣に考えている証拠です。だからこそ、ひとつひとつを丁寧に選ぶあなたの気持ちを、どうか大切にしてくださいね。
次の章では、こうした気持ちをふまえながら、やさしく実践できる「優先順位の決め方」を4つのステップでご紹介します。
第4章:優先順位の決め方、4つのステップ
ここまで読み進めてくださったあなたは、きっと「自分の暮らしを、少しずつでも整えていきたい」という気持ちを抱いているのだと思います。
でも、「優先順位をつける」と言っても、どうやって決めたらいいのか、迷ってしまうこともありますよね。
そこでこの章では、無理なく、でもしっかりと“今の自分に合った選び方”ができるように、優先順位をつけるための4つのステップをご紹介します。
どれもむずかしいことはありません。思考を整理する“やさしい手順”として、ぜひ活用してみてください。
① すべての目標や願いを書き出す
前章でご紹介したように、まずは頭の中にあることを全部書き出してみましょう。
「やらなきゃ」「できたらいいな」「気になっている」など、思いつくままでOKです。
見える化することで、自分の内側にある思いや願いが整理されはじめます。
②「これが整えば、他もうまくいきそう」という項目に印をつける
書き出したリストの中から、「これがうまくいけば、他のこともスムーズになりそう」という項目に印をつけてみましょう。
たとえば、「家計の安定」があれば「子どもの教育費への不安」も和らぐかもしれません。
連鎖するような関係に気づけたら、それが優先するヒントになります。
③ 負担感と実現可能性を比べる
次に、それぞれの目標に対して「すぐに始められそうか」「どれくらい労力が必要そうか」をチェックします。
気持ちが前向きになるものや、取りかかりやすいものから手をつけるのも立派な選び方です。
無理なく進められることは、それだけ継続しやすく、自信にもつながります。
④ 今の自分に“やさしい一歩”を選ぶ
最後に、「今の自分」にとって無理のない、やさしい一歩を選びます。
「絶対にこれしかない」という正解はありません。
今日のあなたが「これならできそう」と思えることこそが、今の暮らしにフィットした選択なのです。
このステップは、焦って何かを決めるためのものではありません。
どれも大切な思いだからこそ、その中から「まずはこれから」と、やさしく順番を決めていくことが、結果的に自分らしい暮らしをつくる土台になります。
次の章では、実際にこうしたプロセスを取り入れて「暮らしの流れが変わった」という事例を紹介しながら、優先順位づけがどんなふうに日々の安心感につながっていくのかをお伝えします。
第5章:優先順位が、暮らしに“安心の流れ”を生み出す
実際に「優先順位をつける」という考え方を取り入れたことで、暮らしが整っていった事例をご紹介します。
たとえば、30代の子育て中のご夫婦。共働きで時間にもお金にも余裕がないと感じていて、家計簿をつける・教育費の準備・自分のキャリアアップ・旅行の計画など、あれもこれも手をつけては続かず、常に焦っていたそうです。
そんな中で「まずは家計を整えることに集中しよう」と決めて、2ヶ月間は他のことに手を出さず、支出の把握と見直しに集中。その結果、毎月の固定費が明確になり、自然と教育費の積立も始められるようになりました。
すると、「ちゃんと進んでいる」という実感が得られ、気持ちにも余裕が生まれたそうです。そこからは他の目標にも自然と手が伸びるようになり、「“順番”を決めるだけで、こんなに変わるんだ」と感じたと語ってくださいました。
大切なのは、「完璧に全部こなすこと」ではなく、自分が“納得して進めるペース”を持つこと。優先順位をつけるというのは、人生のすべてを白黒つけることではなく、今この瞬間に必要なことを見極めて、大切に扱うための“選び方”なのです。
そしてその選び方は、あなたの暮らしをより心地よい方向へと導く地図のようなもの。迷ったら、また見直せばいい。変化に合わせて、何度でも書き換えていけるのが、優先順位という考え方のいいところです。
これから何かを始めたいとき、不安や迷いが出てきたとき、ぜひ今回の内容を思い出してみてください。
“焦らず、でも確実に”。あなたにとっての「次の一歩」が、きっと見えてくるはずです。
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