
どこで買えばいいの?タイミングがわからない!
「始めたいけれど、いつ買えばいいのかが不安」——そんなときに役立つのが押し目買いの考え方です。
価格は一直線に上がるのではなく、上昇 → ひと休み(小さな下げ) → 再上昇を繰り返すことがよくあります。
このひと休みの場面(押し目)で少しずつ買うことで、無理のないエントリーがしやすくなります。
押し目買いの考え方(上昇の途中で“ひと休み”を狙う)
- 前提は上昇トレンド:全体の流れが上向きであることをまず確認します。
- “安くなったら全部買う”ではない:分割して少しずつ。待ちすぎ・一気買いのリスクを避けます。
- 家計に合わせてルール化:1回あたりの上限額/回数/やめる条件を先に決めておくとブレにくいです。
まねTamaのスタンスはいつも同じ。わが家サイズで、続けられる仕組みを先につくることです。
図でイメージ(価格は階段状に動く)

図のように、“階段の踊り場”で少し買い足し、上昇が続く限りは慌てないのが基本です。
次のセクションでは、押し目買いを使う前提となる上昇トレンドの確認と、“押し”と“崩れ”の見分け方をやさしく整理します。
押し目買いとは?(やさしい要点)
上昇トレンドを確認する3条件
- 高値・安値の切り上げ:直近の高値と安値が“階段状に上へ”。高値A < 高値B、安値A < 安値Bが続いているかを見ます。
- 移動平均の上&上向き:価格が25日移動平均線の上にあり、線そのものが緩やかに上向き。
- 出来高の雰囲気:上昇日の出来高は相対的に増え、下げ日の出来高は落ち着く(過熱の急増は要注意)。
補足:ニュース主導の急伸・急落は“例外動作”になりやすいので、週足でも上位の流れを確認すると安心です。
“押し”と“崩れ”を見分ける視点
- 押しの特徴:
- 下げ幅が直前の上昇に対して中くらい(目安:おおむね3〜6割程度)で収まる。
- サポート(過去の安値・25日線・トレンドライン付近)で止まりやすい。
- 陰線が小さくなり、反発の陽線で直近高値方向へ切り返す。
- 崩れのサイン:
- 直近安値を明確に割り込み、終値ベースで25日線の下で滞在。
- 戻りが弱く、戻り高値が切り下がる(下向きの階段に変化)。
- 悪材料で出来高を伴う下げが継続(需給の崩れ)。
- 実行ルール(わが家サイズで):
- 分割エントリー:予定金額を2〜3回に分ける(例:初回40%→確認後40%→強い反発で20%)。
- 撤退ラインの先決め:サポート少し下 or 直近安値割れで小さく損切り。感情で延長しない。
- 現金クッション:常に手元資金を残し、“押しが深い”場合にも無理をしない。
ポイントは「上昇の流れが続いているか」と「押しどまりの根拠があるか」の2本立て。どちらか一方だけでは判断しないのがコツです。
見極めに役立つテクニカル指標
感覚だけに頼らず、価格の流れ+指標で押し目を判断するとブレにくくなります。ここでは、初心者でも使いやすい3つを厳選します。
移動平均線(25日)— 線の上での押し目候補
- 基本:価格が25日線の上にあり、線自体が緩やかに上向き=上昇基調。
- 候補の見つけ方:価格が25日線へ近づく/軽く割ってすぐ回復する場面は押し目候補。
- 注意:25日線の下で日足が続くなら、押し目ではなく“崩れ”の可能性。深追いしない。
- ヒント:線との乖離(かいり)が大きく開いていた後の“戻り”は調整になりやすい=慌てて追わない。
サポートライン— 何度も反発した価格帯
- 基本:過去に何度も下げ止まった価格帯(水平線)や、上向きのトレンドラインは支えになりやすい。
- 候補の見つけ方:その価格帯で下ヒゲ(買い戻し)が出る/翌日陽線で切り返すなどのサインを確認。
- 注意:終値ベースではっきり割れて、戻りが弱いときは“押し”ではなくトレンド転換の疑い。
- ヒント:出来高が多く積み上がった帯(出来高の節)はサポートになりやすい。
RSI— 上昇局面での“押し”を可視化
- 基本:RSI(14期間)で30以下は売られすぎ。上昇トレンドでは30〜40台で下げ止まることが多い。
- 候補の見つけ方:上昇基調のなかでRSIが30〜40台から反発し、価格もサポート付近で反転すれば押し目の可能性。
- 注意:弱い相場ではRSIが30未満で張り付くことも。指標だけで判断しないのがコツ。
- ヒント:強い上昇相場では40〜50台で再び上向く“強気レンジ”になることもある。
使い方のコツ:「価格の構造(高値・安値の切り上げ)+25日線+RSIorサポート」の2〜3点セットで合致したときに、分割で小さく入るのが堅実です。
次は、日々の家計と両立しやすい「わが家サイズの買い方設計」(ルール化と資金配分)をまとめます。
わが家サイズの買い方設計(ルール化で迷いを減らす)
押し目買いは「感覚」よりも事前のルールづくりがカギ。家計を守りながら続けるための“わが家サイズ”の設計をまとめます。
定額つみたて+押し目“追加”の二段構え
- 土台は定額つみたて:毎月の自動積立(例:家計余力の範囲で1〜3万円等)。トレンドに関係なく続ける。
- 押し目は“追加枠”で対応:サポート付近での反発確認後、追加分だけを分割で入れる。
- 終了条件を先に決める:直近安値割れ/25日線下で数日滞在など、やめる合図を明文化。
1回あたりの上限と現金クッション
- 1回の上限:投資予定額を2〜3回に分け、1回あたりは全体の40%以下を目安に。
- “もしも”のための現金:生活防衛資金(目安:数か月分)は常に別枠。投資資金とは混ぜない。
- 追加は無理しない:押しが深い時も、ルール以上の金額は入れない。次の機会を待つ。
教育費・生活費は別管理(取り崩し期は投資しない)
- 目的別口座:日常費/教育費/将来資金を分けて管理。投資は「将来資金」からのみ。
- 取り崩しが近い資金は投資しない:使う時期が近いお金は安全資産で確保し、相場に出さない。
- 家族の合意:「いくらまで」「いつまで」「やめる条件」を家族で共有して、迷いを減らす。
家族の合意メモ(サンプル)
- 毎月つみたて:20,000円(自動)/押し目追加:最大20,000円を2回に分割
- やめる条件:直近安値を終値で明確割れ/25日線下で3日続いたら一旦停止
- 現金クッション:生活防衛資金 6か月分は常に別管理
※上記は一般的な例です。実際の金額・比率は家計の余力と目的に合わせて調整してください。
次のセクションでは、よくあるつまずきを挙げつつ、回避するための具体策をチェックリストで整理します。
よくあるつまずきと回避策
トレンド転換を“押し目”と誤解しない(判定のしきい値)
- 直近安値の明確割れは黄色信号:終値で割れたうえ、翌日も25日線の下で滞在→押しより崩れの可能性が高い。
- 下げ幅が深すぎないか:直前の上昇幅に対して6割超の下落は、単なる押しの範囲を超えやすい。
- 戻りの弱さをチェック:反発しても戻り高値が切り下がるなら、上昇階段が崩れているサイン。
迷ったら、日足だけでなく週足で高値・安値の切り上げ/切り下げを再確認。
待ちすぎによる機会損失(分割エントリー)
- “完璧な押し目”は滅多に来ない:サポート“ぴったり”を狙わず、ゾーンで考える。
- 分割の型を決める:例)ゾーン上辺で40%/中心付近で40%/勢い回復で20%。
- 時間分散も使う:同日内で焦らない。1〜3営業日に分けて成行/指値を組み合わせる。
ニュースに揺さぶられないコツ(事前チェックリスト)
押し目実行前チェック(コピー推奨)
- 上位足(週足)でも上昇の構造(高値・安値の切り上げ)を確認した?
- 価格は25日線付近 or 主要サポート帯で反発の兆しが出ている?(下ヒゲ/陽線)
- 予定資金は分割で入れる?(1回あたり上限40%以下)
- 撤退ラインを事前に明記した?(直近安値の少し下/25日線下でX日)
- 生活防衛資金は別で確保済み?(家計を揺らさない)
相場の材料は日々流れます。ルールを先に決めて紙に書くことで、感情の波より家計の安全を優先できます。
次は、押し目買いを“わが家サイズ”で続けるためのまとめ(待つ力×ルール×見える化)に進みます。
まとめ:焦らず“待つ力”×ルール×見える化
押し目買いは、上昇の流れを確認して、ひと休みで小さく入るというシンプルな考え方です。
うまく続けるコツは、感情ではなくルールで動き、家計の安全を最優先にすること。トレンドが崩れたら立ち止まり、
「また次のチャンスを待つ」も立派な選択です。
今日からの3ステップ
- 上位足で流れを確認:週足で高値・安値の切り上げ/日足は25日線の上かをチェック。
- ルールを紙に書く:分割割合・撤退ライン・追加の条件を明文化(1回あたり上限は全体の40%以下)。
- 家計と分けて見える化:投資は「将来資金」からのみ。月次の入金・実行履歴・在庫(現金クッション)を1行記録。
“わが家サイズ”を守るチェック
- 生活防衛資金は別枠(数か月分を常に確保)。
- 押しはゾーンで考える:サポート帯/25日線付近での反発確認後に小さく。
- 崩れの兆しで停止:直近安値の明確割れ・25日線下での滞在は一旦やめる合図。
焦らず、待つ力×ルール×見える化。この3つがそろうと、押し目買いは暮らしと両立しやすくなります。
今日できる範囲から、わが家のペースで整えていきましょう。
暮らしとお金の見える化スターターキット
家計と投資を無理なく続けるためのチェックシート&活用ガイドをご用意しました。
押し目買いのマイルール記入欄や、月次の入金・在庫(現金クッション)メモにも使えます。