
NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」、どちらで買えばいい?
NISAで投資信託を選んでいると、同じ商品に「つみたて投資枠でも購入可能」「成長投資枠でも購入可能」と表示されていることがあります。
どちらでも買えるとなると、「成長投資枠で買ったほうが利益が増えるの?」「先につみたて投資枠を使うべき?」と迷ってしまいますよね。
結論からいうと、毎月コツコツ積み立てる投資信託なら、まずはつみたて投資枠を使うのが基本です。
同じ商品をどちらの枠で買っても、値動きや運用成績が変わるわけではありません。違うのは、商品の中身ではなく「NISAのどの枠を使ったか」です。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
18歳以上が利用するNISAには、つみたて投資枠と成長投資枠があります。2つの枠は併用できます。
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間の投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
| 主な対象商品 | 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託など | 投資信託、国内外の株式、ETF、REITなど |
| 主な買い方 | 定期的な積立 | 積立または一括購入 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
年間では、2つの枠を合わせて最大360万円まで投資できます。
また、生涯にわたって保有できる非課税限度額は合計1,800万円です。ただし、成長投資枠として利用できるのは、そのうち1,200万円までとなっています。
つみたて投資枠だけを使って、1,800万円まで投資することもできます。
同じ商品なら、どちらで買っても運用成績は同じ
例えば、同じ全世界株式のインデックスファンドを購入する場合を考えてみましょう。
- つみたて投資枠で購入する
- 成長投資枠で購入する
どちらを選んでも、購入する投資信託そのものは同じです。
同じタイミングに同じ金額を購入すれば、値動き、信託報酬、分配方針なども基本的には変わりません。
成長投資枠という名前から、「こちらのほうが大きく成長しやすい商品なのでは」と感じるかもしれません。しかし、成長投資枠だから利益が増えやすくなるわけではありません。
「成長」は商品の値上がりを保証する言葉ではなく、利用できる商品の範囲が広いNISAの枠の名称です。
迷ったら、まずはつみたて投資枠から
同じ投資信託を両方の枠で購入できる場合、毎月の積立は、つみたて投資枠から始めると整理しやすくなります。
成長投資枠を残しておけば、将来、次のような投資をしたくなったときに利用できます。
- つみたて投資枠の年間120万円を超えて投資する
- まとまった資金を一括で投資する
- 国内株式や外国株式を購入する
- ETFやREITを購入する
投資信託の積立に成長投資枠を使ってはいけないわけではありません。将来の選択肢を残しておくために、つみたて投資枠から使う、という考え方です。
投資額ごとの使い分けを考えてみよう
毎月3万円を積み立てる場合
年間の投資額は36万円です。つみたて投資枠の年間上限である120万円以内に収まるため、基本的には全額をつみたて投資枠で積み立てればよいでしょう。
毎月10万円を積み立てる場合
年間の投資額は120万円です。つみたて投資枠の上限と同じなので、全額をつみたて投資枠で積み立てられます。
毎月15万円を積み立てる場合
年間の投資額は180万円です。
- つみたて投資枠で年間120万円
- 成長投資枠で年間60万円
このように、同じ投資信託を2つの枠に分けて積み立てることもできます。
ただし、積立設定の方法や設定できる金額は金融機関によって異なるため、利用している証券会社や銀行の画面で確認しましょう。
まとまったお金を投資する場合
毎月の積立とは別に、預貯金の一部などをまとめて投資したい場合は、成長投資枠を使えます。
ただし、投資できる枠があるからといって、急いで全額を投資する必要はありません。
近いうちに使う予定のお金や、急な支出に備える生活予備資金まで投資に回さないことが大切です。
成長投資枠を無理に埋めなくてもいい
NISAの年間投資枠を見ると、「使わないともったいない」と感じることがあります。
けれども、NISAは投資額の上限を示す制度であり、目標額やノルマではありません。
毎月3万円を無理なく積み立てられる人が、年間枠を埋めるために毎月10万円へ増額する必要はありません。
投資額を決めるときは、NISAの上限ではなく、家計の状況から考えます。
- 毎月の生活費に無理がないか
- 急な支出に備える預貯金があるか
- 教育費や住宅費など、近い将来に必要なお金を確保できているか
- 値下がりしても積立を続けられる金額か
NISAをできるだけ多く使うことよりも、家計を崩さずに長く続けられることのほうが大切です。
枠を選ぶ前に、商品の中身を確認しよう
つみたて投資枠と成長投資枠のどちらを使うかも大切ですが、それ以上に大切なのは、何に投資するかです。
同じNISA対象商品でも、投資先、値動きの大きさ、運用コストは異なります。
枠が余っているから商品を買うのではなく、次の順番で考えてみましょう。
- 何のために投資するのかを決める
- いつ頃使う予定のお金なのかを確認する
- 家計から無理なく出せる金額を決める
- 目的に合った商品を選ぶ
- 最後に、どちらのNISA枠を使うか決める
「どちらの枠がお得か」から考え始めると、投資の目的が置き去りになりやすくなります。
迷ったときの基本的な考え方
毎月の投資信託の積立は、まずつみたて投資枠を使う。年間120万円を超える分や、株式・ETF、一括投資には成長投資枠を使う。この分け方が基本です。
ただし、今後も投資信託だけを購入する予定であれば、つみたて投資枠の上限を超えた分について、成長投資枠で同じ商品を購入しても問題ありません。
大切なのは、どちらの枠を使うかだけでなく、家計に無理のない金額で、納得できる商品を長く保有することです。
NISAの枠をきれいに使い切ることではなく、自分たちの暮らしに合った形で続けることを目指しましょう。
※この記事は、2026年7月時点の18歳以上を対象とするNISA制度に基づいて作成しています。制度や対象商品は変更される場合があります。最新情報は、金融庁のNISA特設ウェブサイトおよび国税庁のNISA制度案内をご確認ください。

