“増やすこと”が怖いあなたへ──資産づくりは“守り”から始めてもいい
「そろそろ、お金を“増やす”ことも考えなきゃ」──
そんな気持ちになる場面、ありますよね。
投資、資産運用、NISA、iDeCo…よく耳にするし、なんとなく「やったほうがいい」とわかってはいる。
でも、実際に動こうとすると、どこかで足が止まってしまう。
「損したらどうしよう」「よく知らないまま始めて大丈夫かな」──そんな不安が、じわっと心を包み込んでくる。
実は、それってまったくおかしなことではありません。
むしろ、「怖い」と感じる感覚こそが、これからお金と上手に付き合っていく“入口”になることもあるのです。
このコラムでは、“攻める資産づくり”ではなく、“整えることから始める資産づくり”をテーマに、
焦らず、無理なく、自分のペースで進めるための考え方をお届けします。
「まだ始めてない自分」を責めずに、
「始められない理由」をちゃんと見つめながら、一緒に“育てていくお金”の土台を考えていきましょう。
「増やさなきゃ…」と思うほど動けなくなる理由
「このままじゃ将来が不安だから、そろそろお金を増やさなきゃ…」
そんな焦りを感じているのに、なぜか具体的な行動には移れない──。
これは、子育て世代に限らず、多くの人が抱えている“見えにくいブレーキ”です。
その理由の一つが、「増やす=リスクを取ること」というイメージ。
「NISAや投資信託がいいらしい」と聞いても、実際にやってみようとすると、「損するかも」「知識がない自分にはまだ早い」と不安の声が頭の中で響いてきます。
さらに、情報があふれている今の時代、何が正解なのかも見えにくくなっています。
SNSやYouTube、雑誌やテレビ、周りの友人たちの話──あちこちから「これがいい」「それはダメ」といった声が聞こえてくると、
ますます迷い、ますます動けなくなるのは自然なことです。
でも、その“動けなさ”の根っこには、もうひとつ大事なものがあります。
それは、「家計の余裕がない状態でリスクをとること」への、無意識の抵抗感です。
生活費に不安があるまま投資を始めても、
相場が下がるたびに「これで本当に大丈夫なのか」と心が揺れてしまう。
子どもの教育費や家計を預かる身であればなおさら、「減らしてしまうかもしれない」というストレスがつきまとうのです。
つまり、「増やさなきゃ」と思うほど動けなくなるのは、
怠けているからでも、知識が足りないからでもありません。
自分と家族を守ろうとする“感覚”が、しっかり働いている証拠なのです。
大切なのは、その感覚を否定するのではなく、
「じゃあ、どうすれば安心して一歩踏み出せるか?」を一緒に考えていくこと。
次章では、“増やす前に整えること”の大切さについてお話ししていきます。
資産づくりは「攻め」ではなく「整えること」から
「資産づくり」と聞くと、“攻めの姿勢”や“増やすための勝負”のようなイメージを持つ方が多いかもしれません。
けれど実際は、「守りを固めること」「整えること」から始める資産形成こそ、もっとも大切な第一歩なのです。
たとえば、毎月の家計のなかで「いくらまで投資に回せるか」を把握していない状態で始めてしまうと、
思わぬ出費があったときにすぐに崩してしまい、結果として“増やすための仕組み”が続かなくなってしまいます。
だからこそまずは、生活費の見直しと、生活防衛資金(万が一のときに備える資金)の確保から。
ここができてはじめて、“減っても生活に影響がないお金”を使って、安心して「育てる」ことができるようになります。
また、お金の整理整頓は、単なる数字の話ではありません。
「なんのために整えるのか」「何に備えておきたいのか」──そこには必ず、暮らしの価値観が関わってきます。
たとえば、「子どもに教育の選択肢を残したい」「老後は子どもに頼らず暮らしたい」など、
“自分たちらしい暮らし”をイメージできるようになると、お金との付き合い方も変わってきます。
これは、“損をしないための整え”ではなく、“納得できる未来に近づくための整え”なのです。
「投資はまだ不安」と感じているなら、
それはまだ“整えるべきこと”が残っているサインかもしれません。
それに気づける感性こそ、長くお金と付き合っていくうえでの大きな味方になります。
次章では、「目的を持つこと」がどうして資産づくりに効いてくるのか。
感覚に頼らず、意図を持つことでお金が育ちやすくなる理由を、一緒に見ていきましょう。
「何のために?」が決まれば、お金は育ち始める
お金を「どう増やすか」よりも前に、実はとても大切な問いがあります。
それは、「何のために、そのお金を育てたいのか?」ということ。
目的のないお金は、どうしても“今の気分”や“目先の動き”に振り回されやすくなります。
たとえば、投資を始めたけれど相場が下がって不安になり、すぐにやめてしまう。
無理に節約して貯めたけど、つい気が緩んで使い込んでしまう──そんな経験、ありませんか?
でも、目的があるお金は、ちょっと違います。
「子どもの進学のために使いたい」
「老後に自分らしく暮らすために備えたい」
「もしものときに家族が困らないように」──そんな“使い道が明確な資金”は、途中でブレにくく、育て方にも軸ができます。
金額の大小は関係ありません。
1,000円でも「意味のあるお金」として扱えば、その積み重ねはやがて大きな自信になります。
目的を持ったお金は「守りたくなる」し、「計画的に扱おう」と思えるものです。
だからこそ、「とりあえず貯めよう」ではなく、
「どんな場面で使うために」「どんな自分でいたいから」という視点から、まずはお金に“ラベル”をつけてみることをおすすめします。
そしてもうひとつ大事なのが、家族で“目的”を共有すること。
パートナーと一緒に「このお金は、将来の家族旅行に使いたいね」「この分は教育資金にしよう」と話し合えたら、お金は“守るべき大切なもの”として自然と育ち始めます。
お金は、意志を持ったときに初めて「育つ」方向へ動き出します。
次章では、そんな目的あるお金を、どうやって安全に・着実に育てていけるのか──“時間”を味方にする考え方についてお話ししていきます。
「リスク」ではなく「時間」を味方にするという考え方
「資産形成にはリスクがある」──そう聞くと、それだけで一歩引いてしまう方も多いのではないでしょうか。
たしかに、お金を育てるということには、増える可能性と同時に減る可能性もあります。
でも、それを“怖いこと”として避けるのではなく、“時間を味方につける”という視点で捉えなおすと、まったく違う景色が見えてきます。
投資の世界では、「長期・分散・積立」が安定した資産形成の基本とされています。
これは、リスクを小さくするための“技術”のようなもの。
一度に大きな金額を動かすのではなく、時間をかけて少しずつ積み上げていくことが、リスクをゆるやかにしてくれるのです。
たとえば毎月5,000円ずつ、10年間コツコツ積み立てていく。
一見すると少ない額に思えるかもしれませんが、それは「習慣として積み上がる力」を育てている時間でもあります。
実際、短期で上がり下がりのある相場も、長期で見れば“波”はならされていきます。
だからこそ、「リスクは時間でコントロールできる」という考え方を持つことが、資産づくりの不安を減らす大きなポイントになります。
もうひとつ大切なのは、「自分にとってちょうどいいペース」を見つけること。
人と比べる必要はありません。
たとえ1,000円からでも、自分の家計と気持ちに合ったペースで積み立てられることが、長く続けられる資産形成になります。
資産づくりは、“スピード勝負”でも“正解探し”でもありません。
「時間に味方になってもらう仕組み」をつくることが、最もやさしくて、安心できる方法なのです。
最終章では、“お金を育てる”という行動の根っこにある、「整える力」「信じる力」について、あらためて一緒に振り返ってみましょう。
怖くない資産づくりは、「整える力」から始まる
資産づくりと聞くと、どうしても「攻める」「勝負する」といったイメージが先行しがちです。
けれど実際には、“整える力”のほうがずっと大切なのかもしれません。
家計を把握して、生活に安心感を持てるようにすること。
自分たちに合った仕組みで、無理のない範囲から少しずつ始めること。
そして、「何のためにこのお金を育てるのか?」という想いを明確にしておくこと──。
こうした小さな整えの積み重ねが、未来の安心につながる資産づくりの土台になります。
不安を感じるのは、守りたいものがある証拠です。
行動できないのは、きちんと考えているからです。
だからこそ、焦らなくてもいい。
「増やさなきゃ」ではなく、「育てていけるかも」と思えることから始めていいのです。
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