情報に強くなる3つの視点
「保険って難しくてよくわからない」「営業されると、うまく断れない」──そんな風に感じたこと、ありませんか?
特に子育て中やライフステージの変化のタイミングでは、「ちゃんと備えておかなくちゃ」という思いが強くなり、営業トークについ耳を傾けてしまうこともあります。
けれど、わかったふりでうなずいたまま契約してしまい、あとから「本当にこれでよかったのかな?」と不安になる方も少なくありません。
保険をすすめられたときに、無理に詳しくなる必要はありません。でも、自分なりの「立ち止まる力」や「比較する視点」を持っていると、不安に振り回されず、納得できる選択がしやすくなります。
このコラムでは、「営業トークが苦手」な方にこそ知ってほしい、3つの基本視点をやさしくお伝えします。
第1章:“言われるがまま”になりやすいのはなぜ?──心理的なしくみ
保険の話になると、なぜか自分の意見をうまく言えなくなってしまう──そんな経験は、多くの方に共通しています。
特に「知識がない」「難しそう」と感じているとき、人は自然と“相手にゆだねる姿勢”を取りやすくなります。
相手が専門的な用語を使って話してくると、「わかっていないのは自分かもしれない」という気持ちになってしまい、
気づけばうなずきながら話を聞き続けてしまうのです。
これは決して「意志が弱いから」でも「だまされやすいから」でもありません。
人の脳は、自分にとってよくわからない領域に対して「判断の回避」を無意識に選ぶ傾向があります。
さらに、「家族を守らなきゃ」「何かあったとき困るかも」という不安が重なると、
その場で“安心感”を与えてくれる提案に気持ちが傾きやすくなるのです。
だからこそ、まずはこの心理的なしくみに気づいておくことが大切です。
「自分は弱いから押し切られるのではなく、人として自然な反応が起きているだけなんだ」と知ることで、
無理に構えることなく、自分のペースで考えられる余白が生まれます。
第2章:比較するときは「金額」より「支え方のちがい」に注目する
保険の内容を比べるとき、多くの人がまず注目するのが「月々の保険料」や「もらえる金額」といった数字です。
もちろん、家計とのバランスを考える上で金額は大切な要素ですが、それだけで判断してしまうと
「何のために入るのか」という目的がぼやけてしまうことがあります。
たとえば、同じ医療保険でも、「入院日額が高い」タイプと「通院や在宅療養もカバーできる」タイプでは、
役立つ場面がまったく異なります。保険とは、生活のなかでどのように“支え”として機能するかが肝心なのです。
また、保険会社によって「請求手続きのしやすさ」や「給付スピード」、「担当者の対応」なども違いがあります。
金額では測れないこうした“体験の質”こそ、いざというときに安心できるかどうかを左右します。
比較のポイントは、「この保険は、うちの暮らしのどんなリスクに、どう応えてくれるか?」。
数字だけでなく、“支え方のちがい”に目を向けることで、自分たちに本当に必要な保障が見えてきます。
第3章:わからないときは「保留」にする勇気──“断る”のではなく“止まる”
保険の提案を受けたとき、「よくわからないけど断りづらい」「悪い気がしてついOKしてしまった」
──そんな経験はありませんか? でも、わからないまま進めてしまうことこそ、あとで後悔のもとになります。
大切なのは、「わからない」ときにいったん立ち止まる勇気です。これは決して「断る」ことではありません。
「ちょっと考えたい」「あとで自分でも調べてみたい」と言って保留にすることは、自分の判断を大切にする行動です。
また、時間をおくことで冷静に情報を整理できたり、家族と話し合う余裕も生まれます。
勧められた内容が自分に合っているのか、自分の価値観とずれていないか──そうした確認がないまま加入してしまうと、
不要な保険を長年払い続けることにもなりかねません。
「今すぐ決めなくても大丈夫ですか?」と、やさしく聞き返してみる。
それだけで、あなたの選択肢は大きく広がります。
第4章:「自分で選ぶ」ために必要な“基本のき”とは?
保険選びで最も大切なのは、「納得して選ぶ」という姿勢です。そのために必要なのが、“基本のき”を押さえておくこと。
難しい知識をすべて覚える必要はありませんが、最低限、次の3つを自分で見て、感じて、考えられることが出発点になります。
- ・どんなときに保障されるのか(=保障の対象)
- ・いくら支払って、いくら受け取れるのか(=金額の流れ)
- ・その保険が「今の暮らし」に必要なのか(=必要性と優先度)
情報を比べる力、わからないときに止まる力、そして、基本的な視点で判断する力。
これらはすべて、特別な知識ではなく、日常の中で育てていける“感覚”です。
保険は、何を買うかよりも、どう選ぶかが大切。
「自分で選んだ」と思えることが、何よりの安心につながっていくのです。
第5章:あなたの感覚を信じることが、一番の“備え”になる
保険は、誰かに「こうすれば安心」と言われたから入るものではありません。
情報が多すぎて不安になったときほど、まずは自分の気持ちに立ち返ることが大切です。
「この保障は、自分たちの暮らしに必要なのか?」
「わからないことがあるけど、納得できるまで聞けるか?」
「誰かの意見ではなく、自分の価値観で選べているか?」
それらの問いに少しずつ答えながら、「自分で選ぶ力」は育っていきます。
不安をゼロにするのではなく、“安心できる選び方”を身につけていく──
それこそが、本当の意味での“備え”なのかもしれません。
「ちゃんと選べた」と思える、その感覚を大切に。
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