同じ500円でも、「高い」と感じる日もあれば、「安い」と感じる日もある──そんな経験、ありませんか?

お金は、たしかに「数」で測るもの。でも、その価値は数字だけで決まるわけではありません。
物価の上がり下がり、円高円安、給料とモノのバランス…。ニュースで耳にする言葉たちは、じつはすべて「お金の価値」が関係しています。

今回は、お金の価値がどのように決まるのか、そしてその価値にわたしたち一人ひとりがどう関わっているのかを、暮らしの視点からわかりやすく解説します。

子どもにも伝えたくなる“本質的な問い”として、やさしく、でも深く──まねTamaらしい視点で紐解いていきましょう。

「あれ?なんで同じものなのに、値段が変わるの?」

近所のスーパーで、昨日は98円だったキャベツが、今日は158円になっている──そんな場面に出会ったことはありませんか?
あるいは、ガソリンスタンドの看板価格が先週より上がっていて、つい「高くなったなあ」と感じることもあるでしょう。

でも、よく考えると不思議です。キャベツそのものが変わったわけではないし、ガソリンの質も昨日と今日で大きく変化したわけではありません。
それなのに、「値段」は日々変動する──ここに、「お金の価値は固定されたものではない」という、とても大事な気づきがあります。

私たちはつい、「1円は1円」と思いがちです。たしかに数字としてはそうですが、「1円で買えるもの」は、物価や市場状況によって変わります。つまり、それは「1円の価値」が変わっているということでもあるのです。

たとえば、野菜が不作で出荷量が減れば、スーパーの店頭に並ぶキャベツの数も少なくなります。少ないキャベツを買いたい人が多ければ、自然と値段は高くなる。逆に、豊作でキャベツが余っているときは、「早く売り切りたい」というお店の思惑から、値段は安くなる。

これは経済の基本である「需要と供給」の関係そのものです。
「欲しい人が多い」「モノが少ない」→価格は上がる。
「欲しい人が少ない」「モノが余っている」→価格は下がる。

子どもと一緒にスーパーへ行ったとき、「今日はキャベツが高いね」という会話の裏には、こうした“経済の動き”が潜んでいます。
値札だけを見るのではなく、その背景にある“動き”に目を向けると、普段の暮らしがちょっと面白く、ちょっと深く感じられるようになるかもしれません。

「国や世界の動きが、お財布に影響するって本当?」

「なんだか最近、物の値段が上がってるなあ…」「預金の利息って、昔より少ない気がする」──そんなふうに感じたことはありませんか?
実はそれ、家計だけの問題ではなく、もっと大きな視点で見ると「国全体の経済の動き」が影響しているのです。

たとえば「金利」。これは、銀行でお金を借りるときや預けたときに関わる重要な数字です。この金利を操作しているのが、日本銀行、通称「日銀(にちぎん)」です。
日銀は、私たちが使っているお札を発行しているだけでなく、日本全体のお金の流れをコントロールする役割を担っています。

景気が悪くなって経済が停滞しているとき、日銀は「金利を下げる」政策をとることがあります。すると企業や家庭がお金を借りやすくなり、設備投資や買い物が活発になる。お金が回ると経済が元気になります。逆に、物価が上がりすぎて家計が苦しくなっているときには、「金利を上げる」ことで消費を抑え、物価の上昇を抑えるというわけです。

このように「景気のよしあし」と「お金の流れ(通貨の量や金利)」は密接につながっており、それを調整しているのが日銀の政策なのです。

また、世界の動きも私たちの暮らしに大きな影響を与えています。たとえば、アメリカが金利を上げれば、世界中の投資マネーがアメリカに流れ、日本円が売られて円安が進む──そうなると輸入品の価格が上がり、私たちの買い物にも影響が出ます。原油や小麦、家電やスマホなど、日常の多くのものが「世界経済」と関わっているのです。

経済の話は難しく感じるかもしれませんが、見方を変えると「日常に起きる小さな変化」が、実は「国や世界の動き」とつながっていることがわかってきます。
今の時代、ニュースで聞く「金利」「物価」「景気」は、他人ごとではありません。自分の暮らしとどう結びついているのかを知ることで、お金との付き合い方も、少しずつ変わっていくかもしれません。

「お金の価値って、ずっと同じじゃないの?」

「昔は100円でパンが2つ買えたのに、今は1つでも足りない…」
そんなふうに感じたことがある方もいるのではないでしょうか?これは、単に「物の値段が上がった」という話ではなく、実は「お金の価値が変わった」ことを意味しています。

たとえば、あなたが同じ1万円をお財布に入れていたとしても、10年前と今とでは「買えるモノの量」が変わっているかもしれません。これが「お金の価値が変動する」という現象です。経済の言葉で言えば、「インフレーション(インフレ)」と「デフレーション(デフレ)」が関係しています。

インフレとは、物やサービスの値段が全体的に上がっていく状態のこと。これは裏を返すと、お金の価値が下がっているということです。
たとえば、パンが1個100円から120円になったとします。同じ1,000円を持っていても、買える数が10個から8個に減ってしまいます。つまり、1,000円の“力”が落ちた、ということになります。

一方で、デフレは物価が下がっていく状態を指します。表面上は「モノが安くなるならラッキー」と思えるかもしれませんが、これが長く続くと経済が冷え込み、企業の利益が減り、給料が上がらない、雇用が不安定になるといった問題が起きることもあります。

このように、お金の「額面」が同じでも、その価値は時代や経済状況によって動いているのです。そして、その影響は「家計」にも確実に届きます。たとえば、今1,000万円を貯めても、10年後にそのお金でどれだけのモノやサービスが買えるかは、「経済環境次第」というわけです。

「お金を貯めること」ももちろん大切ですが、それだけでは安心とは言いきれない時代。大切なのは、「お金の価値が変わる可能性」を知り、その上でどんな備えや使い方をしていくかを考えることです。

お金の価値は、私たちの暮らしの中に静かに影響を及ぼしています。将来を見据えた視点を持つことが、家計やライフプランを考えるうえでの第一歩になるかもしれません。

「“お金”って、どこから来て、どこへ行くの?」

「お金って、どこから来て、どこに消えていくんだろう?」
そんなふうに思ったことはありますか?

普段の生活では、「お金=使うもの」と考える場面が多いかもしれません。たとえば、買い物をしたり、電気代を払ったり、子どもの習い事に使ったり。でも実は、お金は「ただ使う」だけのものではありません。

たとえば、あなたがカフェでコーヒーを買ったとします。そのお金は、お店の人の収入になり、材料を仕入れた農家さんや、カップを製造した工場の人たちにもつながっていきます。
つまり、「自分が使ったお金」が、めぐりめぐって、誰かの暮らしや仕事を支えているんです。

これが「お金が回る」ということ。お金は社会の中で流れていく“つながりの道具”だとも言えます。

最近では「応援消費」や「エシカル消費」という考え方も広がってきました。
たとえば、地元のお店で買い物をすることで、その地域の経済が元気になったり、環境に配慮した商品を選ぶことで、社会課題の解決につながったりする。
お金を使うことが、「応援」や「未来への投資」になる感覚です。

そしてもうひとつ大切なのが、「お金を生み出す」という視点。
働くことでお金を得るのはもちろんのこと、自分のアイデアや得意なことを活かして、新しい価値を生み出すことも「経済の循環」に関わる一歩です。
たとえば、ハンドメイド作品を販売したり、スキルを活かして副業したりすることも、その一つ。

お金って、ただATMから出てきて、どこかに消えていくものではありません。
どこかの誰かがつくり、誰かが使い、また誰かの役に立っている。その「めぐりの中」に、私たち一人ひとりがいるのです。

「使う」だけでなく、「回す」「支える」「つなぐ」──そんな視点でお金を見つめてみると、毎日の選択にも、少しやさしい意味が加わるかもしれません。

まとめ:「“価値をつくる”って、じつはすごく身近なこと」

これまで見てきたように、お金の価値は一見すると「決まっている」ように見えて、じつはさまざまな要因で日々変化しています。
その変化には、国の経済政策や世界の出来事、物価の動きだけでなく、私たち一人ひとりの行動も関係しています。

たとえば、「買い物の選び方」ひとつで、地域のお店が元気になったり、環境にやさしい選択が広がったり。
また、「お金について学ぶ」ことで、家計の安心が増えたり、「資産を育てる視点」が芽生えたりする。
こうした小さな積み重ねが、未来の自分や、家族、地域、社会にまで広がっていくのです。

「お金は、私たちが“価値をつくる”ための道具」──そう捉えてみると、お金とのつきあい方がちょっと変わってきませんか?

「学ぶ」「使う」「回す」という3つの視点を持つことは、
漠然とした不安から抜け出し、「暮らしの未来を自分で描いていく」力になります。

お金をコントロールするには、専門的な知識よりも、
まずは「自分の暮らしと結びつけて考える力」が大切。
その第一歩として、「お金の本質を学ぶ」機会を、やさしく用意しました。

学ぶことが、きっと未来の安心につながります。

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