わかっているのに行動できない”──感情と暮らしがすれ違うとき

「節約しなきゃって、わかってるんです」
「投資とか、ちゃんと始めた方がいいって思ってます」
「食費も見直したいし、家計簿もつけなきゃって…」

そんなふうに、相談の場で“わかっている”という言葉をよく耳にします。
でも、その後には必ずこう続くのです。

「でも、できないんです」
「続かないんです」
「なんだか気力がわかなくて…」

頭では理解していても、身体が動かない。
情報はあるのに、実行に移せない。
そんな葛藤を、自分の“意志の弱さ”のせいだと、つい責めてしまいがちです。

でも本当にそうでしょうか?
「できない」のではなく、“動けない理由”が、どこかに隠れているだけなのではないでしょうか。

このコラムでは、「わかっているのに行動できない」という感覚の奥にある、
感情や生活のリズム、そして“見えにくいすれ違い”を、そっと見つめ直していきます。

解決策ではなく、“気づき”から始まる静かな変化を、いっしょに探ってみませんか。

知識はある。でも身体が動かない。その理由とは?

今は、家計管理や節約、投資の情報がすぐに手に入る時代です。
書籍、SNS、動画、専門家のコラム……
「何をすればいいか」は、ある意味で誰でも“知ることができる”環境にあります。

それでも、思うように行動できない。
やるべきことはわかっているのに、続かない。
何から手をつけていいのか、わからなくなって止まってしまう。
そんな経験、きっと一度はあるのではないでしょうか。

この「動けない」感じには、いくつかの理由があります。
ひとつは、情報が多すぎて“選ぶだけで疲れてしまう”こと。
正しそうなこと、役立ちそうなことが多すぎて、自分の暮らしに落とし込む余力が残らないのです。

もうひとつは、“感情が追いついていない”という状態。
行動を起こすには、ただの知識ではなく、
「そうしたい」と思える感情の準備や、気持ちのスペースが必要なのです。

「わかっているのにできない」とき、
それは怠けているのではなく、心の準備がまだ整っていないということかもしれません。

まずはその事実を、責めずに受け止めてあげてください。
そして、「いま自分は何に疲れているのか」「どこで詰まっているのか」を、
少しだけ立ち止まって感じてみる。
それだけで、次の行動へのドアが静かに開くこともあります。

「“正しさ”が“重さ”に変わるとき」

「こうすれば貯金ができる」
「このルールで支出を抑える」
「今こそ投資を始めるべき」──
情報や知識としての“正しさ”は、たしかに心強いものです。

でも、その正しさが、だんだんと“重さ”に変わってしまうことがあります。

最初は前向きなつもりだった。
けれど、だんだん「できていない自分」が気になってくる。
いつの間にか、「やらなきゃ」「守らなきゃ」というプレッシャーに変わっている。

それはまるで、背負わされた“正しさ”に追われているような感覚。
本来、暮らしの安心感や自由を得るための行動だったはずなのに、
正しさがいつの間にか「義務」や「束縛」のように感じられてくるのです。

そしてその重さに、心が少しずつ疲れていきます。
「わかっているのにできない」のではなく、
「重すぎて、近づきたくない」状態になっているのかもしれません。

もしあなたが、家計簿や節約、投資といった言葉を聞くだけで
どこか胸がザワつくような感覚を覚えるなら──
それは“正しさ”が、すでにあなたの中で“重さ”になっているサイン</strongかもしれません。

一度、立ち止まってみてもいいのです。
それが間違いだったわけではない。
ただ、“やり方”だけでなく、“気持ちの流れ”も整える</strongことが、
次の行動のためには必要なのだと思います。

感情と暮らしがすれ違うとき、何が起きているのか?

暮らしには、ペースがあります。
子育て、仕事、家事、健康管理。
一つひとつは丁寧にこなしているつもりでも、
気がつけば「ただ回しているだけ」になってしまうことがあります。

そこに「やらなきゃいけないこと」や「正しいはずの選択」が加わると、
暮らしの外枠ばかりが強化されていきます。

けれど、その枠の中にある“気持ち”が追いついていないと、
私たちはどこかで立ち止まることになります。

たとえば、節約を頑張ろうとしても、心がついてこない。
投資を始めようとしても、怖さが先に立ってしまう。
家計簿をつけようとしても、どこか気が重い。

それは、「感情」と「暮らしの進め方」がすれ違っている状態かもしれません。

感情は、決して邪魔なものではありません。
むしろ、その人らしい暮らしを形づくる“体温”のようなものです。

けれど、「こうすべき」や「こうしなきゃ」にばかり目が向くと、
その体温がうまく届かなくなっていくのです。
暮らしは回っているのに、心がどこかに置き去りにされたまま──

そんなときは、目標や成果よりも、「いまの自分の感情」をていねいに見つめる時間が必要です。

感情を暮らしに取り戻す。
それは、小さな違和感を否定せずに受けとめることから始まります。

「“行動できない私”を責めずに見つめなおす」

「ちゃんとやらなきゃと思ってるのに、またできなかった」
「今月も結局、家計簿はつけられなかった」
「今さらこんなこと、誰にも言えない……」

そんなふうに、自分にがっかりした経験がある方も少なくないかもしれません。

けれど、どうか忘れないでほしいのです。
“行動できない”ことは、必ずしも“あなたがダメだから”ではありません。

私たちの行動は、意志だけでは成り立っていません。
感情、習慣、環境、タイミング、そして身体の状態……
さまざまな要素が絡み合って、ようやく動けるようになるのです。

つまり、今できないのは、「いまの自分」に合ったリズムや形をまだ見つけられていないだけなのかもしれません。

それを見つけるためには、まず“できない自分”を責めるのをやめてみる。
責める代わりに、「今の私は、どう感じているんだろう?」と問いかけてみる。

その問いは、次の行動を引き出す“きっかけ”になります。
なぜなら、人は責められても変わりませんが、受け入れられると変わろうと思えるからです。

行動できないことを、自分の“弱さ”として切り捨てないでください。
そこにはまだ、整えきれていない何かがあるというサインなのです。

あなたの中にある「整えたい」という気持ちは、ちゃんと残っています。
だからこそ、自分を責める代わりに、もう一度ていねいに見つめなおしてみてください。

“行動する”前に、大切にしたいこと

「わかっているのに、行動できない」
そんなふうに感じるとき、私たちは自分を責めがちです。
でも、その感覚の奥には、まだ整っていない感情や、見過ごされた違和感が潜んでいることがあります。

暮らしの中で、感情と行動がすれ違うことは、誰にでもあります。
それは「弱さ」ではなく、今の自分に合ったリズムを探している途中なのです。

だからこそ、焦って変えようとする前に、
ほんの少し、立ち止まって見つめてみてください。

「私は、本当はどうしたいのだろう?」
「何が“動けなさ”の正体なんだろう?」
そんな問いを持つことが、やがてあなた自身の選択を少しずつ変えていきます。

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