教育資金の「目標額」と「貯め方」を決めるステップへ
前回の記事では、子どもの教育資金はいつから準備を始めるべきかをお話ししました。
「早く始めるほど安心につながる」というポイントは、もう押さえていただけたと思います。
今回は、その次のステップ──教育資金の目標額を決め、無理なく続けられる貯蓄プランを組み立てる方法を一緒に整理します。
目標額を決めることは、単に数字を出す作業ではありません。
家計の見通しを立て、子どもが自分らしい進路を選べる環境を整えるための“地図づくり”です。
今の暮らしを守りながら未来も支える、そのバランスを見つけるヒントをお届けします。
教育資金の目標設定
教育資金づくりの第一歩は、「わが家の目標額」を決めることです。
ゴールが明確になることで、必要な積立額やペースが見えてきますし、途中での調整もしやすくなります。
目標額を決めるときは、次の3つの要素を押さえておきましょう。
1. 学費
国公立か私立か、国内か海外かによって学費は大きく変わります。
たとえば国公立大学の4年間はおよそ250〜300万円、私立文系は約400万円、私立理系は500〜600万円が目安です。
2. 生活費
自宅通学であれば大きな負担はありませんが、下宿や学生寮となると家賃・食費・交通費が加わります。
自宅外通学では年間80〜120万円程度がかかるケースもあります。
3. その他の費用
教材やパソコンの購入費、資格取得費用、学校行事や部活動、短期留学など、学費や生活費以外にも想定外の支出が発生します。
こうした費用を見落とすと、あとから家計に大きな負担となる可能性があります。
※ ここで大切なのは「正確さ」よりも「おおまかな基準額」を早めに作ること。兄弟姉妹がいる場合は、一人あたりの目安を設定しておくと全体像をつかみやすくなります。
貯蓄プランの作成
目標額が決まったら、次は「どうやって」「どのペースで」貯めるかを考えます。
計画を数字に落とし込むことで、行動のハードルがぐっと下がります。
1. 月々の積立額を計算する
目標額を、進学までの残り月数で割って毎月の積立額を出します。
例えば、大学入学まで10年(120か月)で400万円が必要なら、毎月約3万3千円が目安になります。
2. 自動積立を設定する
銀行や証券口座の自動引き落としを使い、毎月決まった日に積立を行う仕組みを作ります。
「余ったら貯める」ではなく、「先に貯める」仕組みにすることで、確実に資金が積み上がります。
3. 運用を取り入れる
15年以上の長期が見込める場合は、低コストのインデックスファンドなど、安定した成長が期待できる運用商品も選択肢に。
一方で、5年以内に使う資金は元本を守る預金や定期積立など安全性の高い方法を優先します。
※ 投資は元本割れのリスクを伴うため、期間や目的に応じて安全資産と運用資産をバランスよく組み合わせましょう。
計画に柔軟性を持たせる
教育資金の計画は、一度立てたら終わりではありません。
家計の状況や子どもの進路は変化していくもの。柔軟に対応できるようにしておくことが大切です。
家計や進路の変化に対応する
転職や収入の増減、転居など、ライフスタイルが変われば支出も変わります。
また、子どもが志望する学校や学部が変わることもあります。そうした変化に合わせて目標額や積立額を見直しましょう。
定期的な見直しを習慣にする
年に1回、または進学や転居などの大きなライフイベント前後に、計画を見直す時間をつくります。
見直し日をあらかじめカレンダーに登録しておくと、忘れずに実行できます。
無理のない調整方法
家計が厳しい時期は、積立額を一時的に減らす、期間を延ばす、ボーナス時に補填するなどの方法で負担を分散します。
「続けられる形」に保つことが、長期計画の成功につながります。
※ 計画の“硬さ”よりも“しなやかさ”を重視することが、教育資金づくりを続ける秘訣です。
まとめ:数字を決めることで見える安心
教育資金は、「いくら必要か」を明確にし、「どう貯めるか」を決めることで、家計の見通しがぐっと鮮明になります。
目標額を持つことは、単に貯蓄の指標になるだけでなく、子どもが希望する進路を安心して選べる環境づくりにもつながります。
ポイントは次の3つです。
- 学費・生活費・その他費用を含めた目標額を設定する
- 自動積立で「先に貯める」仕組みを作る
- 家計や進路の変化に合わせて柔軟に見直す
今日からできる小さな一歩が、将来の大きな安心に変わります。
次回は、教育資金のための賢い投資戦略についてお話しします。
※ Pathos Fores Design(PFD)では、数字だけでなく暮らし全体の納得感を大切にしながら、教育資金の計画を一緒に整えていきます。
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