
素朴な疑問から始める地球環境トーク
「カーボンニュートラル?カーボンをニュートラルにするなんて、できるわけないでしょ。」
そんな友人のひと言から始まった、環境についての本音トーク。
正直、私も最初は「なんか、言葉遊びっぽいな」と思っていました。
でも調べていくうちに、見えてきたのは「現代社会の構造と選択」の問題。
ここでは、そのやりとりをもとに、カーボンニュートラルの“リアル”をざっくばらんに語っていきます。
「カーボンニュートラルって、要はゼロにするってことでしょ?」
いや、実はちょっと違います。
カーボンニュートラルとは、「排出したCO₂の量と、吸収・除去したCO₂の量を、帳簿上でプラマイゼロにすること」を意味します。
だから「出してもいいけど、その分ちゃんと引いてね」という話。
☕ 例えるなら…
排水と排水口のある浴槽を想像してください。
蛇口をひねって水(=CO₂)を流しつつ、排水もしてバランスが取れていれば「ニュートラル」。
でも、蛇口をひねりすぎれば排水が追いつかず、どんどん水位が上がる=温暖化というわけ。
「でもさ、人間のCO₂排出量って全体から見たら大したことないんじゃないの?」
確かに、自然界の炭素循環の規模はでかいです。
- 自然のCO₂の出入り(森林・海・土壌など)→ 約7,500〜8,000億トン/年
- 人間の活動による排出 → 約360億トン/年
一見、たった5%未満。でも問題はここ👇
✅ 「自然界は出入りがほぼ均衡してる」
→ 人間はその“均衡の外側から追加”している存在
だから、「たった数%の人間の排出」が毎年積み重なって、気温を押し上げてるというわけです。
「でも森林が吸ってくれるって話もあるよね?」
もちろん森林はCO₂を吸収します。
でも、それと同じくらい自分でも排出してるって知ってましたか?
- 光合成 → CO₂吸収
- 呼吸・落葉・枯死・火災 → CO₂排出
特に成熟した森林(原生林)は、吸収と排出がほぼ±ゼロ。
一方で、成長中の若い森林はネットで吸収超過になります。
さらに最近は、アマゾンなどで
- 違法伐採
- 焼き畑農業
- 山火事の増加
などの影響で、CO₂を吸うどころか出す側に回ってる森林もあるんです。
「じゃあさ、アマゾンの破壊止めた方が早くね?」
はい。完全に正論です。
アマゾンの森林破壊は、地球規模のカーボン収支に大きく関わっています。
しかも原因の多くは人為的:
- 違法伐採・焼き畑(農地・放牧地拡大)
- 牛肉・大豆生産のための森林伐採
- 火入れによる森林火災(自然火災より多い)
ところが、止めたくても止められない理由もあるんです:
- 地元経済がそれに依存
- 政治の不安定さ
- 先進国からの需要が背景にある(←ここ重要)
「え、それって俺らのせいでもあるってこと?」
はい、そこがポイントです。
アマゾンで育てられた大豆や牛の多くは、家畜の飼料や牛肉として日本にも届いています。
家具や皮製品も、実はアマゾン由来の木材や革だったりします。
つまり私たちは「間接的に森林破壊を“買っている”」可能性があるんです。
じゃあ、どうすればいいの?
誰かがやってくれるのを待つよりも、日常の選択を少し変えることがまず第一歩です。
✅ 私たちにできること
- 過剰な畜産物を控える(週1ミートレスなど)
- 森林認証(FSCなど)の製品を選ぶ
- フェアトレードや産地の明記された食材を買う
- アマゾン保全を行うNGOへの支援
- 企業やブランドに「サステナブルかどうか?」を問い合わせる
おわりに:
「環境の話は難しい」「正義を振りかざす感じが苦手」――その気持ち、すごくわかります。
でも、ちょっとした疑問からこうして一緒に話してみるだけで、
“自分ごと”に変わっていく感覚があると思うんです。
小さな行動でも、積み重なれば大きなインパクトになる。
そんな時代に私たちは生きているのかもしれません。