
2026年予定の「40年ぶり労働基準法の見直し」とは?
ニュースなどで「2026年に、40年ぶりの労働基準法の大改正が検討されている」といった話題を見かけるようになりました。
とはいえ、子育て中のママ・パパからすると、
「うちの働き方や家計にどんな影響があるの?」というところが一番気になりますよね。
今回の見直しでは、ざっくり言うと次のようなポイントが議論されています。
- 長時間・連続勤務にブレーキをかける(連続勤務の上限、休み方のルールづくり)
- 勤務間インターバル(退社〜次の出社までの休息時間)をしっかり確保する
- 有給休暇の賃金計算をわかりやすくし、使いやすくする
- 就業時間外のメール・電話にどこまで応じるか、「つながらない権利」を整理する
- 副業・兼業のルールを見直し、多様な働き方に合わせた制度にする
- 一部の業種に残っていた「週44時間までOK」の特例をなくし、週40時間にそろえる
まだ最終決定ではありませんが、もし実現すれば、
「長く働きすぎない」「ちゃんと休める」「副業を前提とした社会」
へと、ルールの土台が少しずつ動いていくイメージです。
子育て世代にとって「うれしい変化」になりそうな点
長時間・連続勤務にブレーキがかかる
連続して働ける日数に上限が設けられたり、勤務間インターバル(退社から次の出社まで最低◯時間あける)が義務化されると、
- 終電帰りが続いた翌朝に、また早朝から出社…が減りやすくなる
- 休日返上の長期連勤に、会社としても歯止めをかけざるを得なくなる
という変化が期待できます。
子育て世代にとっては、
- 保育園や学童のお迎え時間に間に合う可能性が増える
- 寝かしつけやお風呂など、夜の家族時間を確保しやすくなる
- 心身をすり減らすほどの働き方から、少し距離を置きやすくなる
といった、暮らしのリズムそのものが整いやすくなる側面があります。
「つながらない権利」で、休日が本当の休みに近づく
就業時間外のメールやチャットに、どこまで応じる必要があるのか──。
これまではグレーだった部分にガイドラインが示され、「つながらない権利」が整理されていく流れがあります。
これによって、
- 休日のたびに、仕事用スマホが鳴り続ける
- 子どもと遊んでいても、常にチャット通知が気になってしまう
といった状態から、少しずつ抜け出しやすくなります。
「休みの日は、ちゃんと休んでいい」というメッセージが、制度の側からも後押しされるイメージです。
有給休暇を安心して使いやすくなる
有給休暇をとったときの賃金の計算方法も、原則として「ふだんと同じ給料が出る」形にそろえていく方向で議論されています。
これが実現すると、
- 子どもの発熱や行事で休むとき、「給料が減るかも…」という不安が減る
- パート・時短で働くママ・パパも、「有給をちゃんと使おう」と思いやすくなる
といった変化が期待できます。
「ちょっと注意」が必要になりそうな点
シフトの組み方が変わり、収入に影響が出る可能性
連続勤務の上限やインターバルの義務化、週44時間特例の廃止などに対応するため、
会社側はシフトの組み方を大きく見直す必要が出てきます。
その結果として、
- フルタイムでがっつり働いていた人が「勤務時間を少し減らされる」
- 逆に、人手不足から「希望以上のシフトに入ってほしい」と言われる
など、個々の収入や生活リズムに揺れが出る可能性もあります。
副業ルールの整備で、「自由度」と「管理」が同時に進むかも
副業・兼業に関する割増賃金のルールを整理する中で、
- これまでグレー扱いだった副業が、認められやすくなる
- 一方で、働きすぎや健康管理の観点から、企業が副業の内容や時間に制限をかけることも増える
といった両面が考えられます。
「本業+少しの副業」で家計を支えたい子育て世代にとっては、
勤務先の副業規定の変更に注意しておく必要が出てくるかもしれません。
夫婦で話しておきたい「チェックリスト」
制度そのものは国レベルの話ですが、最終的に暮らしを守るのは一人ひとりの判断です。
ここからは、夫婦で話し合うときに使えるチェックリストをまとめました。
「全部完璧に答えられなくてOK」「気になる項目から少しずつでOK」という気持ちで眺めてみてください。
チェックリスト① 働き方・シフトの確認
- □ 現在の勤務先で、連続勤務や勤務間インターバルのルールがどうなるか、説明を聞いたことがある
- □ 自分の部署で「長時間勤務が当たり前」になっているところがないか、思い当たる
- □ 勤務時間やシフトが変わった場合、保育園や学童のお迎えに影響が出るポイントをイメージできている
- □ 夜遅い勤務が続く場合、夫婦どちらがどの曜日に家事・育児をカバーするか、おおまかな目安を話し合っている
チェックリスト② 収入と家計のバランス
- □ 勤務時間が減った場合の手取り収入の変化を、大まかに計算したことがある
- □ 「この金額までなら収入が減っても大丈夫」というラインを、夫婦で共有している
- □ 逆に、「これ以上残業やシフト増をすると、家族の時間や健康に無理が出る」というラインも話し合っている
- □ 家計簿アプリやエクセルなどで、毎月の固定費(家賃・ローン・保険・通信費など)を把握している
チェックリスト③ 家事・育児の分担を“動かせる形”に
- □ 朝の支度(保育園・学校の準備)は、どちらが何を担当するか整理している
- □ 送迎・寝かしつけ・習い事の付き添いなど、「誰が・どの曜日に」担当するかの目安がある
- □ 突然の残業やシフト変更があったときの「代替プラン」(祖父母・一時預かり・ファミサポなど)を確認している
- □ 週に一度でも、「家事を減らして家族でゆっくりする日」を意識的につくっている
チェックリスト④ キャリアと副業のイメージ
- □ 自分の勤務先の「副業ルール」がどうなっているか、就業規則や社内サイトで確認したことがある
- □ 副業を始めるとしたら、「お金のため」だけでなく、「将来の働き方につながるか」という視点も持てている
- □ 夫婦のどちらかが働き方を変えるとき、「数年後にどうなっていたいか」を一度話し合ったことがある
- □ 不安になったときに相談できる相手(同僚・先輩・FP・社労士など)が、ひとり以上思い浮かぶ
おわりに:制度を「恐れる」のではなく、「活かす」視点を
2026年以降に予定されている労働基準法の見直しは、
- 働きすぎを防ぐ
- 休む権利を整える
- 副業を含めた新しい働き方に合わせてルールをつくり直す
という、大きな流れの一部です。
子育て世代にとっては、
- 「家族との時間を取りやすくなる」という明るい側面
- 「シフトや収入が変わるかもしれない」という注意点
の両方があります。
大事なのは、
「どう変わるのか」をざっくり知ったうえで、「わが家の場合どうするか」を夫婦で話し合っておくこと。
今回のチェックリストが、そのきっかけになればうれしいです。
「うちのケースだと具体的にどう考えたらいい?」というモヤモヤが出てきたら、
一人で抱え込まず、信頼できる相談相手や専門家に、ぜひ気軽に声をかけてみてくださいね。
