長期金利が上がるとどうなる?──子育て家計が知っておきたい「住宅ローン」と「教育費」の話

「長期金利が上がって大変?」というニュースが不安になる理由

ニュースやワイドショーで「長期金利が上がってきて大変だ!」という言葉を聞くと、子育て中のご家庭ほど、
「住宅ローンも教育費も、全部ヤバいのかな…」と不安になりやすいですよね。

でも実は、長期金利が上がることは、
「家計にとってマイナスなこと」だけではありません。
むしろ、
「暮らしにどんな影響があるのか」「今のわが家は何を確認しておくべきか」
を落ち着いて整理できれば、必要以上に怖がる話でもないのです。

ここでは、子育て世代向けに、

  • 長期金利ってそもそも何なのか
  • なぜ上がるのか
  • 住宅ローンや教育費への具体的な影響
  • 今、家庭でできる見直しのポイント

を、できるだけやさしく整理していきます。

長期金利って、結局なに?

「10年ものの利回り」が代表選手

ニュースで「長期金利」と言っているのは、多くの場合、
10年もの国債の利回りのことを指しています。

国債は、国が
「お金を貸してくれたら、利息をつけて返します」
と言って発行する“国の借用書”のようなものです。
その国債を10年間持っていたときにどれくらい利息がもらえるか、という目安が「10年国債の利回り」であり、
これが長期金利の代表になっています。

「1年より長いお金の値段」だと考えるとわかりやすい

私たちが普段ニュースなどで見る金利は、ざっくり分けると

  • 短期金利:数日〜1年以内の金利(普通預金・企業の短期資金など)
  • 長期金利:1年以上、とくに10年くらいの期間のお金の金利

というイメージです。

長期金利が上がるというのは、
「長い期間お金を借りたり貸したりするときの“お金の値段”が少し高くなる」
ということ。
住宅ローンの固定金利や、教育ローン、マイカーローンなど、
長く返していくタイプの借り入れと関係が深くなります。

どうして長期金利は上がるの?

ポイントは「なぜ上がっているか」

「長期金利が上がる」と聞くと、悪いことのように感じがちですが、
本当は
「なぜ」上がっているのか
を見ないと意味が分かりません。
ざっくり言えば、理由は次の3つに分けられます。

  • 景気や経済成長への期待が高まっている
  • 物価が今より上がりそうだとみんなが感じている(インフレ期待)
  • 国の財政や政策への不安で「リスク分」の上乗せが必要になっている

① 景気や成長への期待が高まるパターン

企業の業績がよくなり、設備投資や人材採用が増えていくと、
「お金を借りて事業を広げたい」という動きが強くなります。

そうすると、

  • お金を借りたい人・企業が増える
  • 「それなら、もう少し高い金利でも貸してあげようか」という流れになる

結果として、長期金利はじわじわ上がりやすくなります。
この場合の金利上昇は、
「経済が動き出しているサイン」
という側面もあるので、一概に悪いとは言えません。

② 物価が上がりそうだと感じられているパターン

今よりも物価が上がりそうだとみんなが感じているとき、
お金を貸す側はこう考えます。

「10年後には物価がもっと高くなっているかもしれない。
それなら、今のうちから利息を少し高くしておかないと、実質的に損をしてしまう」

この「将来の物価上昇」を織り込んで金利が上がることもあります。
家計から見ると、
「生活費が上がる+借入金利も上がる」
というダブルパンチにもなり得るので、注意が必要なパターンです。

③ 財政や政策への不安が強まるパターン

国の借金が増えすぎていたり、経済政策への信頼が低下していたりすると、
「本当にこの国の国債を持っていて大丈夫かな?」という不安が出てきます。

そうすると、国債を買う投資家は
「その分、金利を上乗せしてくれないと買いたくない」と考えるので、
不安の“保険料”のようなものが金利に上乗せされます。

この場合の金利上昇は、
「経済がよくなっている」というより「信頼が揺れている」
という側面が強くなります。

子育て家計への「マイナス面」──住宅ローンの例

ケース①:35年返済・3,000万円の住宅ローンの場合

ここからは、実際の数字を使ってイメージしてみましょう。
(細かい条件は省き、イメージがつかみやすいように簡略化しています)

例えば、3,000万円を35年で借りるケースを考えます。

  • パターンA:金利 0.6%
  • パターンB:金利 1.2%

この2つを比べると、毎月の返済額はおおよそ次のようなイメージになります。

  • パターンA(0.6%):約7.9万円/月
  • パターンB(1.2%):約8.6万円/月

同じ3,000万円の借り入れでも、
金利が0.6%→1.2%に上がると、毎月の返済額が約7,000円増える
イメージです。

年間にすると約8万4,000円、35年間では約300万円近い差になります。
(実際には借り換えや繰上返済などで変わりますが、インパクトの大きさは感じられると思います)

変動金利の人は「今すぐ危ない」ではないけれど…

日本の住宅ローンは、変動金利で借りているご家庭も多いと思います。
変動金利は、

  • 短期金利との関係が強い
  • 半年ごとに金利は見直されるが、返済額の見直しは5年ごとなどのルールがある

といった仕組みがあります。

そのため、

  • 長期金利が上がる → すぐに変動金利もドンと上がる

という単純な話ではありませんが、
「今後、金利全体が上がっていく流れにあるかどうか」
は、やはり気にしておきたいポイントです。

「教育費のピーク」と重なると、負担感はさらに増える

多くのご家庭では、

  • 住宅ローンの返済が続いている
  • 子どもが高校〜大学の年齢に差し掛かる

という時期が重なります。

たとえば、

  • 高校〜大学の教育費:年間100〜200万円前後(進学先によって大きく変動)
  • 住宅ローン:毎月8万円台の返済が続く

という状況で、
もし金利上昇で返済額が増えると、その分だけ教育費に回せる余裕が減ってしまう可能性もあります。

「今すぐ破綻する」という話ではありませんが、

  • 教育費のピーク
  • 住宅ローン残高がまだ大きい時期

この2つがぶつかるタイミングを、
ざっくりとでも把握しておくことが大切です。

教育費への影響──例でイメージしてみる

ケース②:子ども2人・大学進学までのざっくりイメージ

教育費は、進学先によって大きく変わりますが、ここではイメージとして、

  • 長男:高校から私立、大学も私立文系・自宅通学
  • 長女:公立高校、国公立大学・一人暮らし

というケースをざっくり考えてみます。

細かい金額は省きますが、よくあるイメージとして、

  • 高校〜大学の7〜8年間で、1人あたり数百万円〜1,000万円前後の教育費がかかることも珍しくない
  • 子どもが2人いると、その2倍近くかかる可能性もある

と考えておくと、少し現実味が出てきます。

教育ローンに頼りすぎると、金利上昇の影響を受けやすい

仮に、大学の入学金や初年度の学費を、教育ローンでまかなうケースを考えてみます。
たとえば、

  • 教育ローン 300万円
  • 返済期間 10年

で借りるとして、

  • 金利 1.0%程度なら:毎月の返済はおおよそ2万6千円台
  • 金利 2.0%程度なら:毎月の返済はおおよそ2万7千円台〜2万8千円台

といったイメージになります。

数字だけ見ると「数千円の差」に見えますが、

  • 子どもが2人いる
  • 住宅ローンもある
  • 食費や光熱費も物価上昇でじわじわ増えている

という状況の中では、
「どうにかなるだろう」と積み重ねていくと、数万円単位の圧迫につながることもあります。

実は「プラス面」もある──金利を味方につける考え方

預金・国債などの利息が少し“まとも”になる

これまでの日本は、

  • 普通預金の利息は、ほとんどゼロに近い
  • 定期預金も、増えた実感が持てない

という状態が長く続いていました。

長期金利が上がってくると、

  • 一部の定期預金
  • 個人向け国債
  • 債券を組み込んだ投資信託

など、
「お金を預けたり投資したりしたときに得られる利回り」
が少しずつ改善していきます。

もちろん、リスクの取り方や商品選びは慎重に考える必要がありますが、

  • 短期的なお得さを狙うのではなく
  • 時間を味方につけて、コツコツ貯めていく・増やしていく

という発想に立つと、
「金利が存在する世界」は、むしろ健全な土台でもあります。

「お金の勉強」を始めるきっかけにもなる

超低金利の時代は、

  • 「どうせ預金しても増えないから」と、考えるのをやめてしまう
  • 「なんとなく住宅ローンを組んで、そのまま放置」という状態になりやすい

という一面もありました。

金利が動き出している今だからこそ、

  • 「うちの住宅ローンの条件ってどうなっていたっけ?」
  • 「教育費って、いつまでにどのくらい必要になりそう?」
  • 「預金だけでなく、どんな選択肢があるのかな?」

といったことを、
家族で一度落ち着いて話してみるきっかけ
にもなります。

いま、ママ・パパができる3つのチェック

① 住宅ローンの「中身」を紙に書き出してみる

まずは、今の住宅ローンがどういう条件なのかを、紙に書き出して「見える化」してみましょう。

  • 変動? 固定? それともミックス?
  • 今の金利は何%か
  • その金利はいつまで続く条件なのか
  • 残りの返済年数は何年か
  • 今の残高はいくらくらいか

これを書き出すだけでも、

  • 「なんとなく不安」だったものが、具体的な数字として見えてくる
  • 変動→固定への切り替えを考えるときにも、比較がしやすくなる

というメリットがあります。

② 教育費と住宅ローンの「ピーク時期」をざっくり確認する

次に、

  • 子どもが高校・大学に進学するタイミング
  • 住宅ローンの残高がまだ多く残っている時期

が、どのあたりの年齢で重なりそうかを考えてみます。

ざっくりとしたメモで構いません。

  • 長男:◯年後に高校、さらに◯年後に大学
  • 長女:◯年後に高校・大学
  • 住宅ローン:あと◯年で完済予定、ピークは今から◯年くらいが山場

こうして書き出してみると、

  • 「この数年間は、教育費+ローン返済でかなりタイトになりそうだな」
  • 「ここを乗り切れば、だいぶ楽になるかもしれない」

といった、
未来の“山場”が見えやすくなります。

③ ひとりで抱え込まず、「相談できる場」を持っておく

金利やローンの話は、どうしても専門用語が多くなり、ネット情報もバラバラです。
ひとりで調べていると、

  • 読むほど不安が増してしまう
  • 「今すぐ固定に変えないと危険!」といった煽り情報に振り回される
  • 逆に「何も変えなくて大丈夫」と思い込んでしまう

ということも起こりがちです。

もし、

  • 「うちのローン、このままで大丈夫かな…」
  • 「教育費と老後資金、どっちを優先して準備すべき?」

といったモヤモヤがあれば、
信頼できる相談相手を一人、持っておくことも「家計を守るための大事な準備」です。

おわりに:金利を「敵」にしないために

長期金利が上がるとき、ニュースではどうしても、

  • 「住宅ローンが上がって大変」
  • 「国の利払いが増えて大変」

といった“困る側”のストーリーが強調されがちです。

けれど、子育て世代の私たちにとって大切なのは、

  • 借りるお金については、条件やリスクをきちんと知っておくこと
  • 貯める・増やすお金については、金利を少しずつ味方につける視点を持つこと

この「両方を冷静に見る目」を育てていくことです。

まねTamaは、

  • 「怖がるためのニュース」ではなく
  • 「落ち着いて判断するための視点」

を、一緒に考えていける場所でありたいと思っています。

「うちのケースだとどう考えたらいい?」という疑問や不安があれば、
一人で抱え込まず、どこかのタイミングでぜひ相談してみてくださいね。

最終更新:2025-11-25|監修:齊木 正夫(CFP®/宅地建物取引士)

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