火災保険は建物/家財の金額(再調達価額)が土台。
付帯の水災・破損等は住まいと持ち物の実情で要否を決めます。
地震保険は「資産の全額補償」ではなく、生活再建に必要な現金をどう確保するかが論点です。

この記事のゴール(3点)
・建物/家財の再調達価額を根拠に、過小/過大を避ける
・水災/破損等など特約の要否を立地・家財構成で判断する
・地震は生活再建費用の確保(保険+現預金)を設計する

STEP1:保険金額の土台=再調達価額をざっくり把握
再調達価額は「同等のものを今、建て/買い直すといくらか」。
建物は延床面積×地域単価(木造/鉄骨/RCなど)、家財は世帯人数×持ち物の水準で概算します。
建物の目安
延床×単価(万円/㎡)。築年数は原則無関係(時価ではなく再調達)。
マンションは占有部分のみが対象。
家財の目安
単身/2人/子あり…で段階的に。高額品(宝飾・楽器・美術品)は明記物件の特約や明細化を検討。

STEP2:水災・破損等の要否は“立地×暮らし方”で決める
すべてを付け足すと高コスト。
必要性は立地(ハザード)暮らし方(子ども・在宅機器・趣味道具)で判断します。
水災(洪水/高潮/土砂)
低地・河川沿い・地下住戸は優先度高。マンション高層階でも共用部停止→長期避難の現金需要を想定。
破損・汚損等
偶然な破損。小さな事故で自己負担の方が総額安い事も。免責の設定でメリハリ。
類焼/失火見舞い
近隣へ延焼した場合や、見舞金の特約。賠償責任の範囲との関係を確認。

STEP3:地震は「全額補償」ではなく“生活再建の現金”を確保
地震保険は上限があり、火災保険の付帯で入る方式。
ポイントは、避難〜仮住まい〜当面の生活費にいくら必要かを前もって決めること。
生活再建の費用感(例)
家賃(3〜6か月)+初期費用+家具家電の最低限+一時出費(通勤/学用品/手数料)。
保険+現金の合わせ技
地震保険の給付+生活防衛資金(現預金)。
「受け取りまでのタイムラグ」も見越しておく。

設計モデル(例)
A:持ち家・戸建(低地でない)
建物:再調達価額100%/家財:暮らし水準に合わせる。
地震:生活再建額(家賃半年分)を目安に。
B:マンション中〜高層
建物:専有部中心/家財:高額品は明記。
地震:共用部停止リスク→仮住まい費用を厚めに。
C:低地/水害リスク地域
水災特約の優先を上げる。家財の床上被害を前提に金額を調整。

棚卸しテンプレ(CSVコピペ用)
※保険金額は「時価」ではなく再調達価額を前提に。高額品は明記物件の扱いを確認。
対象,保険金額(万円),根拠(㎡/人数/持ち物),特約(水災/破損等/類焼など),免責,地震(万円),メモ
建物,,,,,,
家財,,,,,,
高額品(宝飾/楽器/美術),,,,,

見積比較テンプレ(CSVコピペ用)
※条件は横並びで統一(保険金額・水災・免責・地震の額/比率)。
会社,建物(万円),家財(万円),水災(有/無),破損等(有/無),免責(円),地震(万円),年間保険料,メモ
A社,,,,,,,,
B社,,,,,,,,
C社,,,,,,,,

被害時の一次対応(印刷して保管推奨)
① 安全確保・二次被害の防止(漏電/ガス/破片)。
② 損害状況の撮影(全景→部分→型番/領収)。片付け前に写真。
③ 保険会社へ連絡。修理前の指示と必要書類を確認。
④ 見積・修理・仮住まい費用の記録。領収は原本保管。
※SNS拡散は控え、個人情報・鍵情報の映り込みに注意。

よくある誤解と回避策
築年が古いから金額は低くて良い? → いいえ。時価でなく再調達が原則。
地震で家財も全額出る? → 上限あり。生活再建額から逆算して設定。
マンションは水災不要? → 低層/地下や共用部停止の間接損害を想定し検討。
破損等は何でも出る? → 免責・対象外あり。小傷は自己負担の方が安いことも。

もっと整理する:損害保険ハブ
補償範囲・免責・特約の横断整理と見直し手順は、損害保険ハブでまとめています。
関連:実務で使えるツール&補助ガイド
・見積り比較チェックリスト(条件揃え用テンプレ)—
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・よくある誤解Q&A(個人賠償の重複・地震の上限 ほか)—
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※本記事は一般的な解説です。補償条件や支払可否は商品・約款により異なります。最新の重要事項説明書・各社サイトをご確認ください。
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