「留学は必要?」に悩んだら──家庭でできる“将来を広げる選択”の考え方

私と夫は全く英語が話せず、海外旅行や仕事で英語が話せればよかったと思うことが多かったです。

大人になってから学ぶのはなかなか難しいので、小さい頃から海外旅行に行ったり、英会話スクールに通わせて、英語アレルギーにはならないようにしていました。

その結果、子供は英語に興味を持ってくれ、留学することにはメリットがあると思うようになったようです。

英語で苦労して欲しくないと思ったほか、英語が話せることで手に入れるチャンスが増えると考えていました。

長女は高校時代に1年間のアメリカ留学、長男は大学時代に1年間オーストラリアへそれぞれ留学させたのです。

長女は高校時代の経験が自信になったため、大学もアメリカの大学を選択しました。

長男は日本の大学を卒業しましたが、仕事はプラント開発の会社に就職したため、仕事で英語を使う機会が多く、留学の経験が役に立ったと常々言っています。

長女は海外や英語が好きで、小さい頃から英会話スクールに行っていました。

それでも公立小、中に通う中で、英語は得意でも話せるようにならなかったです。

高校時代に留学したことで、発音や聞き取りなどもかなり上達しました。

自分の気持ちを英語で伝わる嬉しさやアメリカに住まないと経験できないことができ、日本の文化や日本人としての良さも改めてわかったようです。

アメリカの大学を卒業してからは、現地の法人に就職して現在に至ります。

長男は長女と異なり、どちらかというと大人しく、積極的に発言しないタイプでした。

留学は、本人が行きたいと言った訳ではなく、仕事をする前に留学はしておいたほうが良いという私と長女のアドバイスを聞いたからです。

ホームシックになったこともありましたが、実家に居るだけではできない経験をたくさん積んで帰ってきました。

留学先でディベートやプレゼンテーションの機会もあったようで、行動もより積極的になったように思います。

二人の留学費用と長女のアメリカ大学費用を捻出するのは正直大変でした。

夫の給料だけでは足りず、自分も仕事に復帰をして、私の両親からも支援してもらったほどです。

留学費用はそれぞれ1年間で200万円ほどかかり、長女の大学費用は800万円以上かかったと思います。

今思えば、1年間の留学だけでもよかったかなと思いますが、子供たちの将来が広がったのは、この留学をきっかけにしたことは間違いありません。

留学にはかなりの費用がかかりますが、費用の工面ができれば経験させてあげた方がいいと思います。

「英語で苦労してほしくない」──その想いから始まる選択

子どもに留学させることには、大きな不安もあれば、それ以上の希望もあります。

親世代が「英語が話せたら…」と感じてきた経験があるからこそ、「わが子にはチャンスを広げてほしい」と願うのは、とても自然なことです。

この体験談のように、子どもの性格や家庭の状況によって、留学の意味や効果はさまざまです。でもそれぞれが、「暮らしの中で考えて、決断して、支えてきた」プロセスの中に、多くの学びがあります。

「費用に見合うのか?」という問いへの向き合い方

留学にかかる費用は決して小さくありません。1年間の短期留学でも200万円以上、大学進学となれば数年単位で数百万円の負担になります。

だからこそ、「何のための留学か?」「その子にとっての意味は何か?」という問いを、家族で共有することがとても大切です。

・進学のためなのか?
・視野を広げるためなのか?
・語学力をつけたいのか?

目的が明確になるほど、どのタイミングで、どのくらいの期間、どんな準備をするかの選択が具体的になっていきます。

子ども一人ひとりに「合う留学の形」がある

積極的に英語が好きな子もいれば、はじめは乗り気ではない子もいます。
けれど、海外での生活は本人にとって大きな“気づき”のきっかけになることがあります。

英語の習得だけでなく、「日本にいるだけでは出会えない価値観」「発信力や行動力の変化」など、学力とは別の育ちが起こる場でもあるのです。

留学は「正解」ではなく、「選択肢のひとつ」

「全員が大学まで海外に行く必要があるか?」と問われたとき、親として「やってよかった」と感じつつも、「短期でもよかったかも」と思える冷静さも大切な視点です。

無理をして叶えるだけでなく、家計とバランスを取りながら“納得できる留学”を設計することが、子どもにとっても親にとっても実りある経験になります。

まねTamaでは、留学を“すべきかどうか”ではなく、暮らしに沿った未来設計のひとつとして捉える考え方を大切にしています。

「留学って必要?」「でもやらせてあげたいかも」──そんな迷いがあるときこそ、いちど立ち止まって、家庭の中で対話を始めてみてください。