
5Gって本当に速い?──表示と体感のギャップを家族目線で整理
スマホの画面に「5G」と出ているのに、動画の読み込みが遅い、オンライン会議が不安定――そんな“体感の違和感”はめずらしくありません。
ラベルの5G=いつでも超高速、ではなく、エリア・方式・端末・時間帯などの条件で体感が大きく変わります。
まねTamaでは、難しい専門用語を無理に覚えるより、わが家の使い方で何が起きているかをやさしく整理していきます。
いま起きていること(やさしい要点)
- 「5G表示」=常に超高速ではない:4Gの仕組みを併用する方式や、4G帯域を転用したエリアでは、体感差が小さいことがあります。
- 場所と時間でブレる:基地局の密度・屋内/屋外・人の集中で速度や安定性が変動します(駅前の混雑時間帯など)。
- 端末しだいの面も:同じ5G端末でも、対応バンドや設定の違いで実力を出し切れないことがあります。
- 「カバー率」の数字は目安:人口カバー率は地図の塗り方の指標で、実効速度や屋内品質とは別物です。
- 家庭内は役割分担が現実的:動画やリモート学習は自宅のWi-Fi(光/ホームルーター)、外出時はモバイル回線、と使い分けると安定しやすいです。
このあと、5Gの方式(NSA/SA・転用・ミリ波)をやさしく整理し、「なぜ5Gなのに遅い?」の原因チェック、そして
わが家の回線選びチェックリストへと進みます。肩の力を抜いて、一緒に整えていきましょう。
5Gの種類:「NSA/SA/転用5G/ミリ波」をやさしく整理
ひと口に「5G」といっても、仕組みや使っている周波数の違いで体感は変わります。まずは名称の意味をやさしく整理し、
わが家の使い方に合うポイントだけ押さえておきましょう。
NSA(Non-Standalone)=4Gと“二人三脚”の5G
- しくみ:4Gのコア網を使いながら、5Gの無線(アンテナ)を組み合わせる方式。
- メリット:エリアを広げやすく、対応端末も多い。
- 留意点:コアが4G寄りなので、超低遅延・細かなスライシングなど“5Gならでは”の威力は限定的。
SA(Standalone)=“本来の5G体験”に近づく方式
- しくみ:コア網も無線も5Gで完結。低遅延・多接続・柔軟なネットワーク分割(スライシング)に対応しやすい。
- メリット:オンライン会議・クラウドゲーム・IoTなどで安定性や遅延面の改善が期待。
- 留意点:エリア・端末の両対応が必要。端末がSA対応でも、エリアがSAでなければ本領は出にくいです。
転用5G(リファーム/DSS)=4Gの帯域を“5Gとして使う”方法
- しくみ:4Gで使っていた周波数帯を5G表示で運用。見かけは5Gでも、帯域幅が狭い場合が多い。
- メリット:表示上はエリアが広がる(「5G圏内」が増える)。
- 留意点:実効速度・遅延の体感差が小さいことがあり、「5Gのはずなのに…」というギャップの主因になりやすい。
ミリ波(おおむね24GHz以上)=“超高速だけど届きにくい”スポット型
- 特徴:大容量・超高速。ただし直進性が強く遮られやすいため、屋内や遠距離には不向き。
- 使われ方:駅周辺・スタジアム・大型施設など“ピンポイントで速さが必要”な場所に向く。
- 留意点:端末側のミリ波対応有無と、スポット的なエリア設置が体感を左右。
まとめると、「広さはNSAや転用」/「体感の伸びはSAやミリ波」というイメージです。表示よりも、方式・周波数・端末対応を軽くチェックしておくと、
「期待と現実」の差を小さくできます。
次のセクションでは、「5Gなのに4Gより遅い?」と感じるときの原因チェックを、家族の使い方に沿って見ていきます。
5Gなのに4Gより遅い?よくある原因チェック
「5Gのはずなのに体感がイマイチ…」は、めずらしい話ではありません。原因はひとつではなく、
電波(帯域・基地局)/端末(対応バンド・設定)/環境(時間帯・建物・郊外)が重なって起きます。
わが家でできる範囲のチェックから整えていきましょう。
帯域幅・基地局密度・バックホール
- 帯域幅が狭い:4G帯域を流用した「転用5G」だと、理論上の速さが出にくいことがあります。
- 基地局の密度:エリア内でも基地局が少ない・遠いと、電波が弱くなり速度が伸びません。
- バックホール混雑:基地局とネットの“幹線”が混むと、良い電波でも速度が頭打ちに。
すぐできる確認
- 同じ場所で5G表示⇄4G表示の両方を試し、体感が安定するほうを一時的に採用。
- 機内モードON→OFFで回線をつなぎ直す/場所を数メートル移動(窓際・屋外側)。
- 朝・昼・夜で混雑の少ない時間帯に速度を比べ、利用時間をずらす。
端末・周波数対応・設定(SA/ミリ波対応可否)
- SA非対応・無効:端末やプランがSA(Standalone)に未対応だと、5Gの本領が出にくいことがあります。
- 対応バンドの差:端末ごとに対応周波数が異なり、エリア相性で速度が変わります。
- 設定・更新:OS/キャリア設定/モデムの更新が古い、省電力モードで性能が抑えられている、なども一因。
すぐできる確認
- 端末のソフトウェア更新/キャリア設定更新を適用。APNは公式プロファイルを再設定。
- 省電力・データセーバーをOFFにして比較。5Gの設定(ON/OFF)も切り替えて体感差を確認。
- 端末の対応バンド(Sub6/ミリ波)と、契約プランの5G条件を見直す。
混雑時間帯・建物内・郊外特性
- 時間帯:通勤・帰宅時やイベント周辺は利用者集中で速度低下。
- 建物の構造:鉄筋・Low-E窓・地下フロアなどは電波が届きにくい(特に高周波数)。
- 郊外:基地局間隔が広く、屋内の奥・高層の中層階で弱くなりがち。
すぐできる確認
- 自宅はWi-Fi(光・ホームルーター)を主役に。スマホはWi-Fi優先で使い分け。
- 屋内では窓際・玄関側に移動/ルーターの置き場所を中心・高めに調整。
- 外出先での重要な用件は、混雑を避けた時間帯に行うか、別回線(eSIM)を用意。
ここまでのチェックで改善が見られない場合、次のセクションで紹介する「わが家の選び方:5つのチェックリスト」を使い、
端末・プラン・自宅回線の組み合わせを見直すのが近道です。
「全国カバー率」の読み解き方
広告や発表で目にする「人口カバー率◯%」。心強く見えますが、体感速度や屋内品質をそのまま保証する数値ではありません。
指標の意味と、マップの見方を押さえると、ラベルに振り回されずに済みます。
人口カバー率とエリアカバー率の違い
- 人口カバー率:人が多く住む地域をどれだけカバーしているかの目安。人の多い都市部が先に塗られやすいため、郊外や屋内の品質を直接は示しません。
- エリアカバー率:国土の面積に対してどれだけ電波が届くかの指標。山間部や海沿いなども含むため、人口カバー率より小さく見えるのが通常です。
- 体感に近いのは?日常の行動範囲(自宅・職場・通学路・よく行く施設)を基準に、ピンポイントでつながるかを確認するのが現実的です。
マップの見方と注意点
- 凡例(レジェンド)を必ず確認:5G(NSA)/5G(SA)/Sub6/ミリ波/4Gなど色分けの意味をチェック。予測エリア(薄色)は未整備の場合があります。
- 更新日・予定表記:「◯月末時点」「今後拡大予定」など時期の注記を確認。今見えている色が現在の実力とは限りません。
- 屋内・地下は別物:地図が塗られていても、屋内・地下・高層中層では届きにくいことがあります。ショッピングモールや地下鉄は別途の整備が必要。
- 縮尺に注意:広域表示だと細いスジ状の道路沿いだけが塗られている場合も。十分に拡大して自宅周辺を確認。
- 方式の表記:「5G」とあっても転用5G(4G帯の5G運用)のことが多く、速度の伸びは限定的。SA/ミリ波の表記があるかをチェック。
- バックホールの制約:地図上は5Gでも、基地局の上流回線が細いと速度は頭打ち。混雑時間帯の実測が参考になります。
現場での確かめ方(わが家向けミニチェック)
- 行動範囲を洗い出し:自宅・勤務先/学校・保育園・最寄駅・よく行く商業施設をリスト化。
- 各社マップで色と凡例を照合:SA/ミリ波の有無、予測エリアの塗り分けを確認。
- 時間帯別に実測:朝・夕・夜で速度テスト(動画の読み込み・ビデオ通話の安定性など体感でもOK)。
- 屋内はWi-Fi併用前提:光やホームルーターを中心に、スマホはWi-Fi優先設定に。
- 家族の端末対応を確認:端末のSA/ミリ波対応・対応バンドと、契約プランの5G条件を見直す。
※マップはあくまで目安です。とくに屋内・地下・イベント混雑時は体感が大きく変わります。最終判断は、ご家庭の行動範囲での実測・体感を優先しましょう。
わが家の選び方:5つのチェックリスト
ラベルや広告よりも、わが家の使い方で快適かどうかがいちばん大切。下の5つを順にチェックすると、
乗り換えや端末変更の判断がぐっとやさしくなります。
1. 居住エリアの実測・マップ確認
- 行動範囲を洗い出し:自宅/職場・学校/最寄駅/よく行く施設をリスト化。
- 各社のエリアマップ照合:NSA/SA・Sub6/ミリ波の凡例を確認(予測色は参考扱い)。
- 時間帯別に体感チェック:朝・夕・夜で動画読み込みや通話の安定性を比べる(速度アプリがなくてもOK)。
- 屋内は別判定:建物の中心部・地下・高層の中層階は不利。窓際・玄関側でも確認。
2. 端末の対応バンド/SA対応可否
- 端末の対応周波数:手持ち機種が主要バンド(Sub6)に対応しているかを確認。
- SA対応の有無:端末・プラン・エリアがSAに対応していないと本来の5G体験は出にくい。
- 設定・更新:OS/キャリア設定/APNを最新に。省電力モードOFFで挙動を比較。
- デュアル回線の余地:重要用件用にeSIMのサブ回線を用意すると安心(月単位でON/OFF)。
3. 料金プランとデータ容量(家族割・光併用)
- 月の実利用を把握:動画・テザリングの使用実績から必要GBを見積もり。
- 家族割・光セット:家族でキャリアを合わせる/自宅の光回線とセットで負担を抑える。
- 速度制御の条件:混雑時の制御・3日間の上限など、体感に響く注記を確認。
- 解約・MNPの費用:違約金・事務手数料・ポイント還元の実質条件をならして比較。
4. 自宅ネットの最適化(光・ホームルーター・テザリング)
- 役割分担が基本:家の中はWi-Fi(光/ホームルーター)を主役に、スマホはWi-Fi優先。
- ルーター環境:設置は家の中心&高め、障害物を避ける。可能ならWi-Fi 6/6Eへ。
- 中継器・メッシュ:間取りが広い/鉄筋・Low-E窓が多い家はメッシュでカバー。
- バックアップ回線:停電・障害に備えてモバイル回線のテザリングを非常用に確保。
5. 乗り換えの判断タイミング
- 無料/短期トライアル:体験eSIMで自分の行動範囲を先に実測してから判断。
- イベント前後は避ける:引っ越し・入学・繁忙期は混雑・手続き遅延が起きやすい。
- 端末買い替えの前後関係:先にエリア相性を見てから端末を決めると失敗が少ない。
- 見直し日を決める:年1回+機種変更時にプランと回線品質を点検(それ以外は動かさない)。
5つのチェックを終えたら、次は意思決定を最短距離にするための手順へ。次セクションで
「ミニフロー:乗り換え or 端末変更を決める手順」をお届けします。
ミニフロー:乗り換え or 端末変更を決める手順
「遅い・不安定」を感じたとき、いきなり契約変更をせず、小さく試してから決めるのが失敗しにくい近道です。
下のステップを上から順にたどれば、端末を変えるのか/回線を変えるのか/自宅Wi-Fiを整えるのかが自然と見えてきます。
STEP 1|困っている場面を特定
- どこで? 自宅内/通勤中/学校・職場/よく行く施設
- いつ? 朝夕の混雑時/休日/屋内だけ/屋外だけ
- 何が? 動画の読み込み/ビデオ通話/アップロード/テザリング
STEP 2|小さく実測(無料〜低コスト)
- 体験eSIM/プリペイドでサブ回線を一時的に試す(同じ場所・時間帯で比較)。
- 家族・友人の回線で同条件のテストを1〜2回させてもらう。
- 自宅はWi-Fi優先で比較(ルーター位置変更・メッシュ導入の前後で体感を記録)。
STEP 3|分岐(原因の仮説)
- A:自宅でのみ遅い → ルーター位置/Wi-Fi規格(Wi-Fi 6/6E)/メッシュ化を優先。モバイル乗り換えは後回し。
- B:外出時に遅い → 実測の良かった回線へ乗り換え検討。端末の対応バンド/SA対応も要チェック。
- C:端末を変えると改善 → 端末変更が先。古い機種は対応周波数・設定がネックのことも。
STEP 4|端末・プラン適合チェック
- 端末:対応バンド(Sub6/ミリ波)・SA対応・最新OS/キャリア設定。
- プラン:5G利用条件/混雑時速度制御/テザリング上限。
- 家族構成:家族割・光セットの有無で総額を試算(体感>割引額の順で判断)。
STEP 5|“お試し→本契約”の段取り
- お試し期間:体験eSIMで1週間〜10日、行動範囲と時間帯を変えて実測。
- 重複期間を確保:乗り換え時は1週間ほど旧回線を残すと安心(重要な予定前の切替は避ける)。
- 番号移行:MNP手続きの期限・事務手数料・ポイント還元の条件をメモ。
STEP 6|切替後のチューニング
- APN/キャリア設定を最新に、省電力モードOFFで挙動を確認。
- 5G設定(SA/NSA)のON/OFFを切替えて体感比較。屋内はWi-Fi優先に。
- 家族共有:端末の置き場所・Wi-Fi接続ルール・テザリング手順を家族で共有。
STEP 7|見直し日を決める
- 年1回+機種変更時に品質と料金を点検(それ以外は動かさないルールで迷いを減らす)。
- 引っ越し・進学など環境変化の前後は臨時点検。
※各社のエリア・料金・端末対応は随時更新されます。最終判断の前に、公式サイトの最新情報と、ご家庭での実測(体感)を必ずご確認ください。
よくある質問(ミリ波はどこで?速度が出ない時は?電池消費は?)
ミリ波はどこで使えるの?
ミリ波(おおむね24GHz以上)は超高速だけれどスポット配備が基本です。駅前・スタジアム・大型施設の一角など、
「その場所だけ速い」ケースが多く、端末側のミリ波対応も必要です。
- チェック方法:各社のエリアマップでミリ波/SA表記を確認し、現地で体感(動画読み込み・クラウド会議)。
- 注意:建物や人の影で遮られやすく、数メートル動くだけで体感が変わることがあります。
「5Gなのに遅い」とき、まず何を試せばいい?
- つなぎ直す:機内モードON→OFF/再起動。キャリア設定・OSの更新も。
- 場所を少し動く:窓際・屋外寄り・フロアの中心から離す等で電波の通り道を確保。
- 時間帯をずらす:朝夕の混雑時は混みやすい。昼・深夜の体感も比較。
- 4G/5G切替で比較:一時的に4G固定で安定するなら、その場は4G優先も選択肢。
- Wi-Fi併用:自宅は光/ホームルーター+Wi-Fi優先に(5GHz帯/6GHz帯が安定しやすい)。
5Gは電池を食いやすいの?
弱い電波を探すときや、高周波数帯を使うと消費が増えることがあります。無理なく抑える工夫を。
- 屋内はWi-Fi優先:スマホの電波サーチを減らし、バッテリー持ちが改善。
- 省電力モードの使い分け:通話・メッセージ中心の時間はON、会議・動画時はOFFで性能確保。
- 位置情報・常時同期を整理:不要な常時取得をオフにしてバックグラウンド通信を軽く。
ホームルーターと光回線、どっちが現実的?
- 安定優先(在宅ワーク・学習):光回線>ホームルーター>スマホテザリングの順で安定しやすい。
- 工事が難しい/短期利用:ホームルーターをまず試す(設置場所は家の中心&高め)。
- 家族複数デバイス:メッシュWi-Fiで家中を均一化。混雑時も途切れにくく。
速度制御や容量超過で遅いのか、どう見分ける?
- 契約の注記を確認:「混雑時は制御」「3日間◯GB超で制御」など条件の文字をチェック。
- 時間帯で変わるなら制御の可能性:昼は速い/夜だけ遅い→混雑制御のサイン。
- 対処:データ追加・上位プラン・サブ回線(eSIM)で混雑回避。
在宅ワークや子どものオンライン学習、何を優先すれば安定する?
- 有線>無線:PCは可能ならLANケーブル。無線は5GHz/6GHz優先。
- 置き場所:ルーターは高め&家の中心。電子レンジ・水槽の近くは避ける。
- ルール化:大事な会議・授業の時間は大容量DL/更新を避ける(家庭内で共有)。
※エリア・方式(NSA/SA/ミリ波)・端末対応・建物構造によって体感は変わります。最終判断は、ご家庭の行動範囲での実測(体感)を優先しましょう。
まとめ:ラベルより「わが家サイズの実力」で判断
画面に出る「5G」というラベルは目安にすぎません。方式(NSA/SA)・周波数(Sub6/ミリ波)・端末対応・場所と時間で体感は大きく変わります。
まねTamaでは、むずかしい用語を追いかけるより、わが家の使い方で安定するかを静かに確かめることを大切にします。
今日からの4ポイント
- ① 行動範囲で実測:自宅・通勤/通学・よく行く施設で、時間帯を変えて体感チェック。
- ② 端末と設定を整える:OS/キャリア設定更新、SA対応・対応バンドの確認、5G/4G切替で比較。
- ③ 自宅はWi-Fi主役:光/ホームルーター+ルーターの置き方・メッシュ化で屋内を安定化。
- ④ 小さく試して決める:体験eSIMでサブ回線を試し、良ければ乗り換え。本契約は旧回線と重複期間を確保。
情報は変わっても、見える化(実測)→小さく試す→年1回見直しの流れは変わりません。
家族の大事な場面がスムーズにつながることを最優先に、わが家サイズで無理なく整えていきましょう。
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チェックシートと活用ガイドで、わが家の費用と優先度をやさしく見える化しましょう。
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