はじめに──教育費の「じわじわ上昇」にどう備える?

「今の学費でも大変なのに、これからどうなってしまうの…?」──教育費の不安は、子育て世帯にとって共通のテーマです。最近は食費や光熱費だけでなく、学習塾や私立学校の費用も少しずつ値上がりしています。

この変化は一気にくるわけではなく、気づかないうちにじわじわと家計を圧迫します。特にお子さんがまだ小さいご家庭では、「将来の教育費インフレ」に備える視点が重要です。

そこで注目したいのが、世界中で価値を認められてきた「金(ゴールド)」という資産。株や預金とは性質が異なり、物価上昇や通貨の価値下落に対する“守りの資産”として活用されてきました。

この記事では、教育費に潜むインフレリスクと、それに備えるための金投資の可能性を、子育て世代にもわかりやすく解説します。

教育費インフレに備えるために知っておきたいこと

教育費は静かに上がり続けている

文部科学省の調査によると、大学の授業料や入学金、学習塾代といった教育費は、この20年間でゆるやかに上昇しています。さらに最近は、原材料や人件費の高騰を背景に、学習塾や私立学校の授業料が値上げされるケースが増えています。

この上昇は1年あたり数%程度と小さく見えるかもしれませんが、10年、15年と積み重なれば大きな差になります。たとえば、年間50万円かかる学費が毎年2%ずつ上がった場合、10年後には約60万円になり、合計では数十万円単位で負担が増える計算です。

お子さんがまだ小さいご家庭ほど、支出のピークまでの期間が長く、その間に物価上昇の影響を受ける可能性が高くなります。「今の金額で見積もる」だけでは将来足りなくなるリスクを考慮し、準備の計画を立てることが重要です。

特に、塾代や習い事などの教育関連費用は、授業料だけでなく教材費や施設使用料なども同時に上がる傾向があるため、「予想外の値上げ」が起きやすい分野でもあります。

生活目線のポイント

教育費の見積もりは「今の価格」だけでなく、「将来の値上がり分」も織り込むことが安心につながります。5〜10%の上昇を想定して計画を立てると、余裕を持った資金準備ができます。

インフレに強い資産「金(ゴールド)」とは

「金(ゴールド)」は、世界中で長い歴史を通じて価値が認められてきた実物資産です。紙幣や電子マネーのように増刷できず、採掘量にも限りがあるため、希少性が高く、その価値が保たれやすい特徴があります。

特に、物価が上がるインフレ局面や通貨の価値が下がる局面で、金は価値を維持または上昇させやすい傾向があります。これは、株式や預金などの金融資産とは性質が異なり、資産全体のバランスを取る「守りの役割」を果たすためです。

  • 通貨の価値が下がっても価値が比較的安定している
  • 各国の中央銀行が保有しており、国際的な信頼が厚い
  • 紙幣のように「刷れない」ため、希少性が保たれる

欧米では、個人資産の一部に金を組み入れることが一般的で、資産全体の数%〜10%程度を金で保有する家庭もあります。これは、日常生活の支出とは別枠で「価値を守る資産」を持つという考え方に基づいています。

子育て世帯の場合、すべての資産を金に変える必要はありませんが、将来使う予定がある資金の一部を金として持つことで、教育費や老後資金の「価値の目減り」を抑える効果が期待できます。

生活目線のポイント

金は毎日値段が変動しますが、「守る資産」として長期で持つことに意味があります。急な値動きに振り回されず、数年〜十数年単位の視点で考えることが大切です。

金価格の推移と教育費防衛の関係

金の価格は過去20年間でおよそ3倍以上に上昇しています。2000年代初頭は1グラムあたり1,000円台だった金が、2020年以降は7,000円台を超える局面もありました。特に2020年以降の上昇は、世界的な金融緩和やインフレ懸念、地政学リスクの高まりといった要因が重なった結果です。

この価格推移は、単なる投資商品としての値上がりだけでなく、通貨の価値下落に対する防衛手段としての機能を示しています。現金はインフレ時に価値が目減りしますが、金は相対的に価値を保ちやすく、長期的に見れば物価上昇と歩調を合わせる傾向があります。

教育費のように「将来使う時期が決まっているお金」を現金だけで積み立てると、10年後に物価上昇の影響で想定よりも価値が下がっている可能性があります。そのため、現金と金を組み合わせるハイブリッド型の資産形成が、インフレ防衛の一つの戦略となります。

もちろん、金価格も短期的には上下しますが、積立方式で時間分散すれば購入単価を平準化し、価格変動のリスクを和らげることができます。

生活目線のポイント

「教育費は現金で準備するもの」という固定観念を少し緩め、将来の価値を守るために金を一部取り入れることを検討してみましょう。月1,000円からの積立でも、10年後にはしっかりとした備えになります。

教育費に向けた金投資の方法(初心者向け3択)

「教育費に備える」という目的に合わせるなら、手間・コスト・続けやすさのバランスが重要です。ここでは初心者でも取り入れやすい 金ETF/純金積立/現物(金貨・地金) の3つに絞って比較します。

方法 特徴 メリット 留意点 こんな人向け
金ETF(上場投資信託) 証券口座で株のように売買。価格は金相場に連動。 保管不要・少額OK・新NISAで非課税可・売買が簡単。 証券口座が必要。海外連動型は為替影響あり。 手間をかけずに積立+非課税を活用したい人。
純金積立 地金商や証券で毎月自動買付。1,000円〜少額可。 家計の余力でコツコツ。時間分散で平均購入単価を平準化。 手数料がETFより高め。現物引出は別途コスト。 「ほったらかし」で自動積立したい人。
現物(金貨・地金) 実物保有。非常時の「モノ」としての安心感。 カウンターパーティーリスクが小さい。長期保有向き。 保管・盗難リスク。売買コスト高め。保管場所の確保が必要。 余裕資金で分散の一部として持ちたい人。

選び方のコツ(教育費目的)

  • 使う時期が決まっている資金:毎月の積立で価格を平準化できる金ETF(新NISA活用)純金積立が相性◎。
  • 家計の負担を増やさない:「月1,000〜3,000円」など生活に無理のない金額からスタート。
  • 口座・手数料:ETFは売買コストと信託報酬、純金積立は買付手数料を事前に確認。
  • 為替リスク:海外連動ETFは円・ドルの影響も受ける点を理解(国内保管型ETFは為替影響なし)。

結論として、“続けやすさ”と“非課税メリット”の両立を狙うなら、まずは金ETFを新NISAで少額積立し、必要に応じて純金積立や現物で分散を広げる流れが取り入れやすいでしょう。

こんな家庭に金投資は向いている

すべてのご家庭に金投資が必要というわけではありませんが、以下のような条件に当てはまる場合は、教育費や将来の生活費を守る手段として検討する価値があります。

  • 教育費のインフレが気になる
    預金だけでは物価上昇に対応できない不安がある場合、価値を守る資産を組み入れることで安心感が増します。
  • 株式ほどのリスクはとれないが、資産を育てたい
    値動きの大きい株式ではなく、比較的安定した資産で長期的に守りたい人に向いています。
  • 新NISAを活用して少額から始めたい
    金ETFなら非課税枠を使って効率的に積み立て可能。生活に負担をかけずにスタートできます。
  • 毎月自動でコツコツ貯めたい
    純金積立なら1,000円から始められ、ほったらかしで続けやすい仕組みがあります。

逆に、短期間で大きな利益を狙う方や、日々の値動きに一喜一憂してしまう方には、金投資はあまり向いていません。あくまで「ゆっくり守る」ための資産として活用することが前提です。

まねTamaからのひとこと

教育費の準備は「額を増やすこと」だけでなく、「価値を守ること」も大切です。金投資はその守りの部分を支える選択肢のひとつです。

まとめ──将来の教育費のために「守りの投資」を

子育て世帯にとって、教育費は家計の中でも最大級のライフイベント支出です。物価上昇や為替変動といった外部要因は、自分たちではコントロールできません。だからこそ、現金だけに頼らない資産の持ち方が将来の安心につながります。

金投資は、短期的に大きく増やすことは難しい一方で、長期的に価値を守ることに優れた「守りの資産」です。純金積立や金ETFを少額から取り入れ、新NISAを活用して非課税で育てることで、教育費のインフレリスクに備えることができます。

大切なのは、無理なく続けられる方法と金額で始めること。たとえ月1,000円でも、10年後には「やっておいて良かった」と思える備えになります。

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